研究課題/領域番号 |
10660270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
南 直治郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (30212236)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マウス胚 / 遺伝子発現 / 卵管環境 / differential display / 細胞周期 / サイクリンB / mouse embryo / 2-cell stage / gene expression / oviductal environment |
研究概要 |
2細胞期胚で発現している遺伝子について、Differential Display法をもちいて検討した結果、培養環境の違いにより発現する遺伝子にさまざまな違いが認められた。初年度の研究において、これらの遺伝子の配列を決定した結果、既知の遺伝子として、7種類の遺伝子が同定された。そのうち2種類はミトコンドリアがコードするATPase6とND2という遺伝子であり、初期胚の発生停止にミトコンドリアにおけるエネルギー生産に関わる遺伝子が関与していることが示唆された。また、本年度の研究では2種類の新規遺伝を同定した。そのうち一つは非卵管環境下で強く発現している遺伝子であり、卵巣および未受精卵子にも発現が認められたが、他の一般組織における発現は認められなかった。この遺伝子についてESTデータベースと5'RACE法を用いて解析を行ったところ、約1500bpの遺伝子であり、1300bpの翻訳領域を持つことが明らかとなった。また、もう一つの新規遺伝子についてもESTデータベースで解析を行った結果、約1700bpの遺伝子であり、約1500bpの翻訳領域を持つことが判明した。この両者については現在タンパク質レベルでの解析を進める目的で、抗体の作製実験を進めている。また、細胞周期と発生との関連を検討する目的でG2期におけるチェックポイントを制御している遺伝子p53とその下流で発現調節を受けている遺伝子について2細胞期胚における発現をRT-PCR法を用いて検討した。その結果、全ての遺伝子について卵管環境下での発現が強く認められたことから、2細胞期における発生停止と遺伝子発現に高い相関があることが示唆された。また、細胞周期をG2からM期へ移行させる機構に直接関与し、MPFの活性を調節しているCyclin Bの発現量および細胞内局在を調べた結果、Cyclin Bの発現量は卵管共培養区と非共培養区で差は認められなかったが、卵管共培養区の胚においてCyclin Bの核内移行が観察されたのに対し、非共培養区においては核内移行はまったく観察されなかった。また、2細胞期で発生停止を起こしている胚につても、Cyclin Bの核内移行は観察されなかったことから、発生を停止する胚においてはCyclin Bの核内移行メカニズムの何らかの欠損があるのではないかということが示唆された。また前年度の結果から、卵管共培養区においてはCyclin Aの発現量が非共培養区に比べて高かったことから、Cyclin AがCyclin Bの核内移行にも何らかの形で関与している可能性が考えられる。
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