研究課題/領域番号 |
10660295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
小川 健司 理化学研究所, 動物試験室, 研究員 (50251418)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | マウス / リンパ球 / マクロファージ / アクチビン / フォスタリン / Tリンパ球 / CD3 / MMP |
研究概要 |
本研究では、マウス腹腔内macrophagesにおけるactivinの発現と機能について検討した。先ず、macrophagesにおけるactivin関連タンパク質の発現をRT-PCRによって検討した結果、macrophagesはαsubunitを発現せず、βA subunitおよびFollistainのmRNAを発現することが示された。従って、macrophagesはInhibinを産生せず、activinとその調節因子であるFollistatinのにを産生すると思われる。一方、macrophagesはactivinを含む主要なTGF-βfamilyタンパク質の受容体を発現しており、activinはmacrophagesにおいてparacrineまたはautocrineで働く因子である可能性が示唆された。 更に、我々は、macrophagesのmatrix metalloproteins (MMP)産生におよぼすactivinおよびFollistatinの効果について、glatin zymographyと定量的RT-PCR法を用いて検討した。その結果、LSP(100ng/ml)刺激の有無に拘わらす、macrophagesによるMMP-2のmRNA発現および活性はactivinによって促進され、逆にFollistatinによって抑制される事が明らかとなった。一方、macrophagesによるMMP-9の発現および活性に対しては、activinおよびFollistatinの効果は認められなかった。 以上の結果から、macrophagesが産生するactivinは、paracrineまたはautocrineによってMacrophagesに働き、MMP-2の発現調節を介して、基底膜の分解や細胞の炎症局所への浸潤に働く因子である可能性が示唆された。 本研究に於いて、我々は、マウス脾臓B lymphocytesがactivinのβAsubunit,activin結合タンパク質であるfollistatin、またactivin受容体(ActRs)のmRNA発現している事を示した。更に、B lymphocytesの活性化に伴いactivin/follistatin mRNA発現が著しい変化を起す事を明らかにした。培養B lymphocytesは、LPSに依ってポリクローナルに活性化されるとactivin βA subunitの発現を増加させたが、逆にfollistatinの発現は減少させた。B lymphocytesの培養上清中のactivin活性も、LPS刺激に依って上昇した。同様の結果は、マウスをovalbuminで免疫させた際にも認められた。即ち、免疫を施したマウスのB lymphocytesは、未処置のマウスに比して、βA subunitの発現が高く、follistatinの発現が低かった。これらの結果は、B lymphocytesは、活性化に伴い、activinの発現を増加させると共に、その活性を阻害するfollistatinの発現を減少させる事により、正味のactivin活性を増加させている事が示唆している。 本研究により、B lymphocytesはactivinの産生源であるとともに、その標的である可能性を示唆された。
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