研究課題/領域番号 |
10670007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
前川 眞見子 千葉大学, 医学部, 助手 (20181571)
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研究分担者 |
外山 芳郎 千葉大学, 医学部, 講師 (70009637)
豊田 二美枝 千葉大学, 医学部, 助教授 (60009751)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Fynチロシンキナーゼ / 精巣 / セルトリ細胞 / 細胞骨格 / アクチンフィラメント |
研究概要 |
1.抗Fyn蛋白モノクローナル抗体を用いた免疫組織染色により、Fyn蛋白はマウス精巣のセルトリ細胞の細胞質に局在し、生殖細胞には存在しなかった。 2.セルトリ細胞が精子細胞の頭部と接する部位にあるectoplasmic specializationにおいてFynは特に強く局在し、アクチンフィラメントと共存することがわかった。 3.マウス精巣組織のTritonX-100可溶分画と不溶分画を電気泳動後Western blottingを行った結果、Fynは大部分が不溶分画(細胞骨格分画)に回収された。また抗リン酸化チロシン抗体を用いてWestern blotを行った結果、fyn遺伝子欠損マウス精巣では、約80kDaのチロシンリン酸化蛋白が、野生型マウスと較べ顕著に減少していた。この蛋白は主に細胞骨格分画に回収され、精巣発達過程における蛋白量の増減がFynと似ており、Fynチロシンキナーゼのターゲットである可能性がある。 4.fyn遺伝子欠損マウスを用いてその精巣の発達過程を調べたところ、生後3〜4週の未成熟な精巣は野生型マウスに比べ軽く精細管の径も小さかった。光顕、電顕的に観察した結果、多数の生殖細胞が変性に陥っていることがわかった。しかしfyn遺伝子欠損マウスの成熟雄は生殖能力を持つことから、他のチロシンキナーゼがFynの機能を補償すると思われる。そこで、SrcキナーゼについてWestern blottingで調べたが、fyn遺伝子欠損マウスと野生型マウスとで精巣における発現の差異は見られなかった。 5.以上の結果から、Fyn蛋白は精巣において細胞骨格と結合して存在し、セルトリ細胞内情報伝達を制御することにより、セルトリ細胞による特定の段階の生殖細胞の生存・分化の調節に関与していることが示唆される。
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