研究課題/領域番号 |
10670015
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
滝川 俊也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263095)
|
研究分担者 |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 哺乳類 / 形態形成 / プログラム細胞死 / マトリックスメタロプロテナーゼ / 器官培養 / 肢芽 / 口蓋 / 神経堤細胞 / マトリツクスメタロプロテナーゼ |
研究概要 |
平成11年度の研究は形態形成におけるマトリックス分解酵素群の発現と機能的役割の解析を目的とし、以下のことが明らかとなった。 [口蓋について] 口蓋の癒合現象における上皮性縫合部の基底膜の消失に関与するマトリックス分解酵素群を明らかにするため、マウス胎児を用いて口蓋突起が発生する胎齢12日から口蓋突起の癒合が成立する15日までの口蓋からタンパクを抽出して、ザイモグラフィーにより解析した結果、マトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)、セリンプロテナーゼ、システインプロテナーゼのいずれもが口蓋に発現していることが判明した。次に、器官培養系を使い、それぞれの酵素群に特異的な阻害剤(GM6001,AEBSF,E-64)を培養液に加えて、酵素の阻害効果が認められる濃度をザイモグラフィーで確認するとともに、癒合に与える影響をtype IV collagenに対する免疫染色により組織学的に調べた結果、MMPを阻害した場合のみ、上皮性縫合部の基底膜の消失が起こらず、癒合は成立しなかった。この基底膜の消失に関与するMMPはgelatinaseA/MMP-2であり、口蓋突起の癒合直前から口蓋突起内側縁上皮に発現し、縫合部上皮が消失するまでこの発現が持続することが免疫組織化学的に認められたが、そのmRNAの発現は口蓋突起の伸長が著しい時期に増加して、口蓋突起の癒合直前から大きく減少することが判明した。 [肢芽について] マウス胎児を用いて、肢芽の形成における指の分離では、指間予定域に口蓋と同じくMMP(gelatinaseA/MMP-2)の発現が起こり、指の分離の進行が進行するのに伴い、指間予定域の存在する毛細血管網の退縮が起こることを明らかにした。 プログラム細胞死はPECAM-1/CD31を発現する血管内皮細胞の消失と相補的に起こることを証明し、指の分離の際に、毛細血管網の血管内皮細胞がMMPを発現して血管基底膜を分解し、血管内皮細胞の一部はアポトーシスを起こすことが判明した。
|