研究課題/領域番号 |
10670087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 正宏 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70271103)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 血管内皮 / クロライドチャネル / ATP / パッチクランプ / 機械的刺激 / 血管内皮細胞 / カルシウムイオン / ハッチクランフ法 |
研究概要 |
血管内皮細胞は血流や血圧などによる機械的刺激に応じて種々の生理活性物質を分泌していることが知られているが、それらの分泌経路の多くは不明である。血管内皮に機械的刺激特に低浸透圧刺激が加わった場合に活性化されるものとして、容積感受性クロライドチャネル(VRAC)が知られている。本研究は、内皮におけるVRACの活性化と生理活性物質の分泌との関連を検討することを目的とした。血管内皮細胞に低浸透圧刺激を与えると、Ca^<2+>オシレーションが生じた。このCa^<2+>オシレーションは、phospholipase C阻害薬およびP_2受容体拮抗薬によって抑制され、ATPの放出によるものと考えられた。実際に細胞外に放出されるATP量を定量すると、低浸透圧刺激によって1細胞当たり10分間に平均91amolのATPが放出された。一方VRACは高濃度のglibenclamide、fluoxetine、verapamilによって抑制されたが、これらにより低浸透圧刺激によるCa^<2+>オシレーションとATP放出も阻害された。さらに、高カリウム液による脱分極によってVRACを阻害した場合もCa^<2+>オシレーションとATP放出が消失した。これらの結果より、ATPの放出がVRACの活性化に強く依存していることが明らかになった。従来の報告ではVRACは細胞外のATPによって抑制を受けるとされ、ATPはむしろVRACを阻害する作用を持つ薬物として知られてきた。しかし、本研究でのパッチクランプ法を用いた数学的解析の結果、細胞外のATPはVRACに対して阻害作用と透過作用の両者を有することが明らかとなった。このことは、低浸透圧刺激によって放出されるATPがVRACを介していることを強く示唆する結果であった。
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