研究課題/領域番号 |
10670116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米倉 秀人 金沢大学, 医学部, 助教授 (80240373)
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研究分担者 |
山本 博 金沢大学, 医学部, 教授 (00115198)
山岸 昌一 金沢大学, 医学部, 講師 (40281026)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | hypertension / differential display / spontaneously hypertensive rat / cyr61 / in situ hybridization / quantitative trait locus / spontaneously hypertinsive rat / quantitative trait loci / 本態性高血圧症 / ディファレンシャルディスプレイ法 / in situハイブリダイゼーション / 血管平滑筋細胞 |
研究概要 |
日本人の高血圧症の90%は未だ原因の明らかでない本態性高血圧症に分類される。本研究は、本態性高血圧症の発症・進展に関わる遺伝素因の実体を明らかにするためのアプローチとして、本症モデル動物の血管で発現異常を示す遺伝子を分離し、その構造と機能を明らかにすることを目的とする。 1.ヒト本態性高血圧症のモデル動物である自然発症高血圧ラット(spontaneously hypertensive rat、以下SHR)、その重症型であるSHR-SP(SHR-stroke prone)および正常親株(WKY)の大動脈よりRNAを分離し、蛍光ディファレンシャルディスプレイ法によりSHRおよびSHR-SPで発現増大もしくは低下を示すmRNA分子種の候補を複数種検出した。 2.RT-PCR法により、それらに対応するcDNA断片を分離し、これらをプローブとして3種のラットの動脈より分離したRNAを用いてノーザン解析を行ない、1種のmRNAがSHRとSHR-SPの動脈で発現上昇をきたしていることを確認した。 3.同定したmRNAに対する全長cDNAをrapid amplification of cDNA ends(RACE)法により分離し、塩基配列を決定した結果、当該mRNAはcyr61のラットホモログであることが明らかとなった。 4.cyr61遺伝子の高血圧症発症過程での発現をNorthern法により解析した結果、cyr61 mRNAの大動脈での発現量比はWKY:SHR:SHRSP=1:2.7:3.7(4週齢)、1:2:1.8(6週齢)、1:1.2:1.6(12週齢)であり、cyr61 mRNAはWKYと血圧差の殆どない4週齢から既にSHR、SHRSP大動脈で発現が上昇することが明らかとなった。 5.In situ hybridizationの結果、cyr61の発現上昇は大動脈平滑筋細胞での過剰発現のためであった。 6.各組織由来のRNAを用いたNorthern blot解析の結果、cyr61 mRNAは大動脈でもっとも強い発現が認められ、心臓がそれに続いた。 7.FISH法により、cyr61はラット第1番染色体長腕12-13領域にマップされ、これは従来報告されている高血圧関連QTL(quantitative trait loci)の何れにも属さなかった。
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