研究課題/領域番号 |
10670126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浜本 敏郎 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30189625)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ミトコンドリア / アポトーシス / ガングリオシド / ポリン / VDAC / プロテアーゼ / チトクロムc / permeability transition / ミトコンドリア膨潤 |
研究概要 |
ガングリオシドは神経系に多く局在し、発生や組織の分化に関与しているものと考えられている。最近、ガングリオシドGD3によりアポトーシスが引き起こされることが報告された。そこでアポトーシスのシグナル伝達において重要な機構であるミトコンドリアからのチトクロームc(cytc)放出に対するガングリオシドの影響を調べた。 cyt cやアポトーシス誘導因子(AIF)はミトコンドリアの膜間腔にあり、細胞質中に放出される場合外膜を通過する。現在その通過に(1)ミトコンドリアポリンなどの外膜タンパク質が積極的に関与している、(2)ミトコンドリアの膨潤に伴い、外膜が受動的に破れる、の2説があるが、ミトコンドリアの膨潤を伴わず、チトクロームcの放出を誘導する系はごく少なく、前者の確実な証拠はいまのところ乏しい。 ガングリオシドはミトコンドリアに直接作用して、cyt cの放出を引き起こした。この際阻害剤を用いた実験により、のcyt c放出にはいわゆるpermeability transition poreの開口が必要であることが示唆された。さらに各種ガングリオシドを試みたところ、複数のシアル酸残基を持つポリシアロガングリオシドのみcyt c放出活性を有し、シアル酸残基が重要な役割を果たしていることが示唆された。さらにcyt c放出の時間経過とタンパク分解酵素阻害剤を用いた実験により、細胞質中のタンパク質分解酵素系を活性化させるcyt c自体もミトコンドリア由来の酵素によって分解されること、さらにcyt cの放出もタンパク分解酵素阻害剤によって抑制されるが、このときミトコンドリアの膨潤は阻害されないことなどから、ミトコンドリアの調節にある種のタンパク分解酵素が関与していることが示された。
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