研究課題/領域番号 |
10670127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (70167914)
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研究分担者 |
石橋 佳朋 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (00312067)
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ミトコンドリア / MIDAS / ディファレンシャルディスプレー / ロイシンジッパー / 臭化エチジウム / 呼吸鎖阻害剤 / CASTing / クロストーク / CASting assay / ミトコンドリアDNA / CASTingアッセイ / 転写因子 / ルシフェラーゼアッセイ / BIAcore / DNA結合蛋白 / アポトーシス / Fas |
研究概要 |
本研究課題ではミトコンドリアDNA(mtDNA)が傷害を受けた時に応答する核とミトコンドリアのクロストークの分子機構を解明することである。ディファレンシャルディスプレー法を用いてmtDNAを完全に消失しているヒトHeLa細胞で特異的に発現量が上昇している遺伝子を検索した。その結果、新規遺伝子MIDAS(Mitochondrial DNA Damage Sensitive novel factor)のcDNAをクローニングした。MIDASは298アミノ酸残基からなるロイシンジッパー構造をもつ蛋白質である。ホモロジー検索の結果、線虫、酵母、ショウジョウバエ、ラットにホモログが報告されている。MIDASは生物種を超えて保存された機能をもつ蛋白質である。ヒトの各組織より抽出されたmRNAを用いたノーザンブロット法でMIDASは組織非特異的に広範に発現していた。MIDASはすべての細胞で普遍的で重要な役割を果たしていることが示唆された。大腸菌で強制発現させ精製したMIDAS蛋白質で抗MIDAS抗体を作成した。細胞の免疫染色でMIDAS蛋白質はミトコンドリアに局在していた。細胞分画によるウェスタンブロット解析でもミトコンドリア画分に多くのMIDAS蛋白質が検出された。MIDASの発現制御について検討した。mtDNAに直接傷害を与える臭化エチジウム処理でMIDASの発現が上昇したが、呼吸鎖阻害剤では発現誘導が見られなかった。MIDASはミトコンドリアの機能障害ではなくmtDNA傷害によって発現誘導されることが示唆された。MAIDASの機能について検討した。臭化エチジウム処理でmtDNAの量が減少するが、MIDAS過剰発現細胞では臭化エチジウム除去後のmtDNAの量的回復が促進された。また、CASTing assayでMIDASはグアニジン塩基に富むDNA塩基配列に選択的に結合することを明らかにした。以上のことから、mtDNAの傷害により核にコードされているMIDASの発現が誘導され、MIDAS蛋白質はミトコンドリアに移行してmtDNAの複製を制御していることが示唆された。
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