研究課題/領域番号 |
10670131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西 信三 北海道大学, 医学部, 教授 (20001894)
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研究分担者 |
中林 秀和 北海道大学, 医学部, 助手 (10033383)
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | α-フェトプロテイン / 免疫抑制 / 自己免疫疾患 / T細胞 / 肝癌 / トランスジェニックマウス / 遺伝子 / 甲状腺炎 / Tリンパ球 / マイトジェン |
研究概要 |
α-フェトプロテイン(AFP)の臨床的な重要性は論を待たないが、AFPの機能については不明な点が多い.我々はAFTのin vivoでの機能を探る一つの手段として、ヒトAFPcDNAを導入し、全ての組織で発現するトランスジェニックマウスを樹立した.このマウスは一見正常であるが、血清中のヒトAFTは約20μg/mlに達する.従来よりAFPは免疫抑制に関わるという報告があるが、異論も多くはっきりとした結論が得られていない.そこで、樹立したトランスジェニックマウスを用い、いくつかの実験的な自己免疫疾患モデルで検討を加えた. メチル化アルブミンを関節に投与することで誘発される関節炎、および甲状腺ぺルオキシダーゼを投与する事で誘発される甲状腺炎の2つの実験的自己免疫疾患モデルにおいて、いずれもトランスジェニックマウスで有意にその発症が抑えられた.投与したぺルオキシダーゼに対する抗体価には変化が見られないことからAFPによる免疫抑制は液性免疫でなく細胞性免疫を抑制すると考えられる.さらに、ミエリン蛋白ぺプチドによる実験的脳脊髄炎の発症でも抑制が見られた.トランスジェニックマウスのリンパ球を解析した結果、脾臓T細胞の低下が見られ、胸腺自体の重量が低下してしており、総細胞数の低下が観察された.B細胞には大きな差は見られなかった.マイトジェンに対するリンパ球幼若化を調べた結果、T細胞マイトジェン、PHAに対する幼若化反応がトランスジェニックマウス由来のリンパ球で非常に弱いことが分かり、AFPによる免疫抑性はPHA反応性のT細胞が何らかの要因で少ないかまたは活性化されないためだと思われる. 現在は、マウスAFPを過剰に産生するトランスジェニックマウスも樹立され解析を進めている。さらに、遺伝子ノックアウトマウスの樹立に向けタゲッテイングべクターを構築し準備を進めている。
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