研究課題/領域番号 |
10670159
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
森川 茂 島根医科大学, 医学部, 教授 (80027094)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ホジキン細胞 / 樹状細胞 / 免疫グロブリン / CD83 / 培養細胞株 |
研究概要 |
研究の目的:今日では多岐に分類されている悪性リンパ腫のうち起源細胞が未だ同定されていないものにホジキン病がある。ホジキン病を特徴付けるホジキン細胞やリード・ステルンベルク細胞の由来が未だ不明である。本研究ではホジキン病患者由来で腫瘍性格を有するリンパ芽球様長期培養細胞株HPL-Hod-2(Hod-2)を樹立し、その血液・細胞学的特性を解析し、その本態を明らかとした。 研究実績:Hod-2細胞と免疫グロブリン:Hod-2細胞は2核の細胞を多数含むやや大型の細胞で、ヌードマウス可移植性を有し、染色体異常(低トリソミー)を持つ腫瘍的性格を有している。T、B細胞系列の判定のためのモノクローナル抗体による表面マーカーの解析結果は、TcRや細胞膜Ig(S-Ig)はほとんど陰性であり、一方CD4、CD15や細胞間接着分子の発現が見られた。S・Ig及びCD79a、bは陰性あるいは低発現であったが胞体内でのIgGは陽性であり、IgG geneはH鎖L鎖ともに再配列を受けていた。ユニークな免疫グロブリン産生細胞であると考えられた。 Hod-2細胞の免疫グロブリン産生能を刺激する機序を明らかにするため、試験管内で、Hod-2培養中に種々のサイトカインを添加したがIgG産生は誘導されず、TPAやカルシウムイオノホアの添加によっても影響を受けず、通常のB細胞とは異なるシグナル回路により調節を受けていることも考えられた。 B細胞系列樹状細胞との関連:Hod-2細胞は表面マーカーの1つとしてCD83を発現していることが判明した。CD83は今日ヒトで最も安定したDCのマーカーとされている。前述のIgG産生とは逆にCD83はTPAやA23187処理で発現が増強した。それと同時に細胞接着分子や刺激補助因子が発現していることが認められた。 結論:ホジキン細胞はB系列DC由来と考えられた。また、その免疫グロブリン産生には独自の調節機序が働いていることが示唆された。
|