研究課題/領域番号 |
10670178
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
石井 壽晴 (石井 嘉晴) 東邦大学, 医学部, 教授 (30101893)
|
研究分担者 |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 助教授 (60202511)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 大動脈解離 / 膠原線維 / 弾性繊維 / MMP / Spiraled collagen / 弾性線維 / TIMP / dissecting aneurysm / matrix metalloproteinare / Tissue inhibitor of MMP / collagen / elastin |
研究概要 |
血管壁に血行力学的負荷な負荷がかかる解離性大動脈瘤、下肢静脈瘤、門脈圧亢進下の門脈、心筋架橋部及びこの近位の冠状動脈壁を対象として、これらに対応する部位の正常血管壁を対照群として、電顕的ならびに膠原線維・弾性繊維代謝に関わるMMP、TIMPに対する抗体を用いた免疫組織化学的観察を試みた。 電顕により、解離性大動脈の破裂部周囲の内膜・中膜には、通常の数倍の太さを持ち、螺旋状に捻れを示すが、通常の横紋周期を呈するspiraled collagenが多量且つ高頻度に出現していた。同時に弾性繊維も細くなり、断裂を示していた。これらの周囲に存在する平滑筋細胞の基底膜にも菲薄化、消失がみられた。すなわち、これらの所見は、線維性蛋白の変性性の所見と考えられた。又、免疫組織化学により上記部分の平滑筋細胞の胞体中に、MMP-1, -2, -9の発現が亢進し、これらの阻害酵素のTIMP-1、-2の亢進も見られたが、層板状の壊死部分には、これらの発現は見られなかった。即ち、大動脈解離の生じる前から、これらの酵素が作用し、線維性蛋白の変性を起こして、解離に連なったものと思われた。解離発生には、ずり応力などの血行力学的負荷が重要と考えられ、更に、高血圧が、この過程を強調させる負荷となるものと思われる。その他下肢静脈瘤の大伏在静脈、内腔圧の上昇した門脈、ずり応力の上昇下にある心筋架橋部の冠状動脈にも、spiraled collagenと上記の間質線維分解酵素にも同様の結果が見出された。
|