研究課題/領域番号 |
10670184
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | (財)沖中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
松下 央 財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (10201774)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 副甲状腺 / 過形成 / 腺腫 / 癌 / 血液透析 / PTHrP / cyclin D1 / 副甲状腺癌 / 細胞増殖能 |
研究概要 |
副甲状腺癌の成立機序を明らかにする目的でヒト副甲状腺腫を用いて以下の検討を行った。 A.副甲状腺癌でPTHrPの発現:21例の副甲状腺癌と10例の副甲状腺腫において副甲状腺ホルモン関連蛋白質(PTHrP)の発現を検討した。その結果、腺腫では1例を除きほぼ全例でPTHrPが発現し、しかもmRNAの発現が強く見られた。これに対し、癌ではPTHrPの発現のあるものは少数で、しかもその発現は低レベルであった。我々はこれまでに過形成副甲状腺の研究からPTHrPは細胞の増殖抑制と密接な関係のあることを示した。PTHrP発現に見られた腺腫と癌との明瞭な違いは癌における細胞増殖能の亢進と密接に結びついているものと考えられた。 B.特異な経過を示す副甲状腺癌:長期血液透析症例で過形成を背景とする4腺のうち1腺から明らかな癌が発生し、静脈侵襲も見られた。過形成を背景に腺腫が発生することは知られているが、明らかな癌の発生はこれまで知られていない。 C.cyclin D1の発現:副甲状腺腫瘍の一部でPHT-cyclin D1遺伝子再構成が腫瘍の原因と考えられている。cyclin D1の発現について過形成、腺腫、癌で比較したところ、過形成と癌で発現頻度の高いことが分かった。更にAで述べた過形成を背景とする癌の部分でとく高頻度のcyclin D1の発現が見られた。
|