研究課題/領域番号 |
10670204
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣田 誠一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50218856)
|
研究分担者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70028520)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | c-kit遺伝子 / カハール介在細胞 / GIST / 機能獲得性突然変異 / 患者予後 / カハールの介在細胞 / がん原遺伝子 / c-kit / 間葉細胞腫 / 腫瘍発生 / 生殖系列 |
研究概要 |
ネコの線維肉腫から単離されたv-kitがん遺伝子に対応するがん原遺伝子c-kitは受容体型チロシンキナーゼをヒードしており、そのリガンドはstem cell factor(SCF)である。我々は消化管筋層に発生したストローマ細胞腫瘍(Gastrointestinal stromaltumor;GIST)にc-kitが高率に発現していることを見つけた。GISTはCD34とc-kitの両者を発現しており、カハールの介在細胞も同様に両者を発現していることから、GISTはカハールの介在細胞由来の腫瘍と考えられた。さらにGISTの多くにc-kitの傍細胞膜領域の突然変異がみられることを見つけ、この突然変異が機能獲得性であることを示した。また、消化管にGISTの多発する2家系を見つけ、これらの家系の患者にはgermlineでのc-kitの機能獲得性突然変異が存在することも明らかにした。変異の部位は単発性のGISTと同様、傍細胞膜領域であった。これらの家系の患者では、初夏関するの筋間神経叢の部分にカハールの介在細胞に由来すると考えられる紡錘状細胞の過形成像を伴っていた。 GISTは、消化管間葉系腫瘍のなかでも最も多い腫瘍であるが、GISTの良悪性の鑑別については一般的な病理組織診断では困難なことが多い。我々はc-kit遺伝子の突然変異の有無が患者の予後にどのように反映しているのかを調べた。約150例のGISTについてc-kitの突然変異の有無を調べたところ約60%に変異が見つかった。c-kitの突然変異がある群では変異のない群に比べて、核分裂が多く、壊死や出血が多いことがわかり、さらには術後の再発・転移が多く、予後は明らかに悪かった。また、多変量解析により患者の予後因子を調べると、c-kitの突然変異は核分裂像や腫瘍の大きさなどと共にGISTの独立した予後因子であることがわかった。
|