研究課題/領域番号 |
10670211
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
関根 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039922)
|
研究分担者 |
伊東 正博 長崎大学, 医学部, 助教授 (30184691)
中尾 一彦 長崎大学, 保健管理センター, 講師 (00264218)
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
松山 俊文 長崎大学, 医学部, 教授 (30165922)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 肝癌 / 受容体チロンキシナーゼ / 発癌過程 / 受容体チロシンキナーゼ / 受容体型チロシンキナーゼ |
研究概要 |
肝癌細胞の増殖・分化に関してチロシンキナーゼ遺伝子のシグナル伝達の重要性が着目されている。さらにヒト癌では同遺伝子の発現異常や変異が報告されている。しかし肝癌の発生・悪性化進展過程において、どのようなチロシンキナーゼ遺伝子発現に特異的変化が生じているのか明らかではない。そこで肝発癌過程におけるプロフィールを明らかにし、その局在および発癌過程における特異性と意義を検討した。 【方法】DENを8週経口投与したF344ラットの肝癌組織および正常肝より抽出したRNAを用い、チロシンキナーゼ遺伝子群間で相同性の高い2カ所にdegeneratedプライマーを設定し、RT-PCRを行い、そのPCR産物をサブクローンした。1組織あたり50クローン以上のシークエンスを行い、ジーンバンクデータとのホモロジー検索によりプロフィールを解析した。発現の認められた遺伝子に関し、RT-PCRやノーザンブロッティングでさらに解析するとともに、免疫組織化学でその局在を検討した。また遺伝子増幅や組換えの有無を確認するため、サザンブロッティングを行った。IGF-IやHGFに関しては細胞培養系にてその機能解析を行った。 【成績】23種類の受容体型、15種類の非受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の発現を認めた。その中でも、肝癌ではHGF-R(c-met)が増加し、一部の肝癌ではPDGF-RβやIGF-IRも増加していた。血管新生に関連するTie1,Tie2,VEGF-R2(flk-1)等の発現は、血管内皮に発現するとともに、癌細胞にも発現を認めた。これらはGST-Pで検出される前癌病変に一致した発現が認められた。しかし、遺伝子増幅や組換えは認めなかった。一方、これらのリガンドのうちVEGF,HGF,Angiopoietin-1の発現は正常肝・癌とも差は無かったが、Angiopoietin-2は癌組織にのみ検出された。in vitroの系ではIGF-IやHGFは抗アポトーシスや浸潤能と関与することが示唆された。
|