研究課題/領域番号 |
10670257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 重雄 岡山大学, 薬学部, 教授 (40033229)
|
研究分担者 |
成松 鎮雄 (成松 鎭雄) 岡山大学, 薬学部, 教授 (20113037)
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 病原ビブリオ / 鉄制御遺伝子 / 遺伝子解析 / 鉄獲得系 / 病原因子 / ストレス応答 / 鉄輸送系 / 分子遺伝学 / 遺伝子クローニング / 腸炎ビブリオ / 鉄輸送 / 外膜蛋白 / 鉄欠乏症 / 鉄レギュロン |
研究概要 |
1.V.parahaemolyticusの臨床分離株、食品由来株、環境由来株について、vibrioferrinの産生量を鉄制限下で分析した。その結果、臨床分離株が他と比べて有意にvibrioferrin産生量が多いことが判明した。ヒト腸管のように鉄欠乏下における生存、増殖に対してvibrioferrin産生性が選択的有利性を与え、本菌の病原性発現と密接煮関連している可能性が示唆された。 2.V.parahaemolyticusのマンガン耐性株について、そのfur遺伝子を解析し、4種のアミノ酸置換を伴う塩基変異を見出した。これらのアミノ酸残基がFurの機能に重要であることを明らかにした。さらに、Fur大量発現クローンを作成し、Furを精製して、その抗体を調製した。この抗体を用いて、Western blottingにより、鉄豊富下でも鉄欠乏下と同程度のFurが産生されており、本蛋白の多機能性が示唆された。 3.FUR TA法によって、病原ビブリオ3菌種より鉄制御遺伝子群を単離した。塩基配列の解析の結果、Fur boxを有する多数の興味深いクローンが得られた。それらの内、V.parahaemolyticusより3種の鉄輸送キレーターの外膜レセプター遺伝子および生合成遺伝子を全長クローニングし、解析した。さらに、V.mimicusの2種の鉄獲得系オペロン遺伝子、aerobactionオペロン(4種の生合成遺伝子と1種の外膜レセプター遺伝子)および輸送系オペロン(3種の遺伝子)を全長クローニング、解析した。これらオペロンはタンデムに存在しており、腸内細菌科の菌種における aerobactinを介する鉄獲得系には見られない珍しい遺伝子構成であることが判明した。また、heme receptorのクローニングにも成功した。 4.病原ビブリオ3菌種より、鉄制御の新規MnSODをコードする遺伝子をクローニンし、解析した。 5.Suicide vectorを用いて上記遺伝子群の挿入変異体を作成し、当該遺伝子の機能を解明した。また、同法によって、V.parahaemolyticusのvibrioferrin生合成遺伝子を見出した。 6.V.vulnificusより鉄制御遺伝子として、phospholipase DやATP-dependent proteaseコードする遺伝子を得た。前者は病原因子として、また後者はFurの分解酵素として機能する可能性が示唆された。
|