研究課題/領域番号 |
10670279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 熊本大学 (1999) 筑波大学 (1998) |
研究代表者 |
小糸 厚 熊本大学, エイズ学研究センター, 講師 (70231305)
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研究分担者 |
小糸 厚 熊本大学, エイズ学研究センター, 講師 (70231305)
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | HTLV-I / レセプター分子 / マウスリンパ球 / 組み込み / トランスジェニックマウス / HTLV-l / HTLV-I 感染 / エンベロープ / レセプター / マウスモデル |
研究概要 |
我々は、HTLV-Iと同じくヒト病因レトロウイルスであるHIV感染のレセプター、ヒトCD4、およびコレセプターCXCR4をリンパ球特異的に発現させたトランスジェニックマウスを作製し、そのマウスにおいて観察された著明なリンパ球の分布異常より、コレセプターCXCR4がAIDS患者のリンパ球減少に大きく関与している可能性を示した。このようにレトロウイルス感染症による多彩な病態の理解には、その宿主、組織特異性を決定しているレセプター分子群の同定が必須である。一方で、ヒトCD4,CXCR4発現マウスでのHIV-1複製は依然として著しく制限されたものであり、細胞への進入に関与するレセプター分子の発現のみでは実用的なHIV-1感染の小動物モデルとはなりがたいことも確認した。このマウスリンパ球内におけるHIV複製、特に初期過程の解析をおこなった結果、逆転写の完成ならびにpreintegration complex(PIC)の核移行において著しい阻害はなく、染色体への組み込みのステップの効率が低いことを確認した(Koito.A.,Nagasawa.T.,Suzuki.G.,Matsushita,S.:投稿準備中)。このような基礎研究は今後、HTLV-I感染モデルの作製においても貴重な知見をもたらすと考えられる。HTLV-I感染のレセプター分子の同定については、そのスクリーニングのための基礎実験を行った。マイトジェンで活性化したヒトPBMCよりcDNAライブラリーを作製し、レトロウイルスベクターにパッケージングした。このシステムによるレセプター分子の発現クローニングを行っている。 マウスは遺伝的な背景が詳細に解析されており、レトロウイルスと細胞遺伝子との相互作用を明らかにするには、最もすぐれた動物モデルであると考えられる。この種の研究によりレトロウイルスによる細胞機能の修飾が個体レベルで明らかになり、さらにその関連する疾患の治療法開発に有益な情報がもたらせるものと期待される。
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