研究課題/領域番号 |
10670286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
坂口 剛正 広島大学, 医学部, 助教授 (70196070)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | パラミクソウイルス / M蛋白 / ウイルス回収系 / システイン / 形態形成 / リバース・ジェネティックス / システイン残基 / ジスルフィド結合 / パラミクソウィルス / ウィルス回収系 |
研究概要 |
本研究では、cDNAからのセンダイウイルス(SeV)回収系を利用してM蛋白(Matrix蛋白;エンベロープ裏打ち蛋白)の分子構造と機能の関連を検討した。SeV M蛋白の5つのシステイン(Cys)残基のうち、83、106、295(番号はアミノ末端から)の変異ウイルスを回収できた。 1.非還元SDS-PAGEで検討したところ、Mシステイン変異ウイルスのM蛋白は異なる構造をとっていると考えられた。さらに電子顕微鏡観察・しょ糖密度勾配遠心法でウイルス形状の変化が観察できた。M-C106Sウイルスではウイルスが小さくなり、さらに遺伝子を含まない不全粒子が多く観察された。一方、M-C295Sウイルスではウイルス粒子の大きさが広く分布して、非常に大きなものも観察された。以上の知見は、M蛋白システイン残基がウイルス形態に影響を与えることのはじめての報告である。 2.培養細胞での一段階増殖を検討したところ、M-C83S・M-C106Sウイルスでは子孫粒子の細胞からの放出が阻害されていた。M-C295Sウイルスは、親株ウイルスよりもむしろ効率よく放出された。細胞での多段階増殖は細胞からの放出効率とおおむね相関していたが、M-C295Sウイルスだけは例外で、親株ウイルスよりも多段階増殖能は低かった。マウス個体での増殖と病原性は、培養細胞での多段階増殖能と相関していた。以上の結果は、M蛋白システイン残基がウイルス集合の効率・増殖効率・マウスヘの病原性に影響を与えていることを示す。M蛋白のシステイン残基を介した構造の本態を解明する必要がある。 3.以上の成果について、第14回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム・第16回中国四国ウイルス研究会・第11回国際ウイルス学会・第47回日本ウイルス学会等で発表し、論文にまとめている。
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