研究課題/領域番号 |
10670295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
小原 恭子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20225478)
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研究分担者 |
小原 道法 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10250218)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | HCV / Cre / loxP発現システム / HCV発現細胞株 / Tgマウス / 発癌機序 / p21 / CIP1 / WAF1 / 腫瘍原性 |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)の日本における抗体陽性者は2%にのぼり、C型肝炎は高率に慢性化し肝硬変からさらに年率7%で肝癌へと移行するとされるため、大きな問題になっている。このようなHCVの病原性発現機構を明らかにするため、Cre/loxPシステムによりHCV全ゲノムをスイッチング発現するヒト由来肝細胞株を樹立した。HCV発現により細胞のDNA合成が抑制され、FACS解析するとG0/G1期の細胞集団の割合が増加し、S期の割合が減少している事が明らかとなった。この様なHCVの細胞増殖抑制作用がアポトーシス経路を介しているか否かを明らかにするため、HCV発現後に広範囲のカスパーゼインヒビターz-Asp.を各濃度で加えた。z-Asp.を添加しても濃度依存性に増殖制が解除される事はなく、この抑制がアポトーシスを介した反応ではないと考えられた。次にHCVの持続発現が細胞に与える影響を明らかにする目的で、発現細胞を長期に渡って継代した。HCVの発現は45日間持続していた。また、細胞の増殖速度が発現後8日目から低下し、2〜3週間たつと回復した。標的となる宿主因子の遺伝子発現レベルを解析したところp21/CIP1発現レベルが変化していた。さらに21/CIP1のプロモーター下流にルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだプラスミドを用い、HCV発現後8日と48日の細胞にトランスフェクションしてその活性化の有無を検討した。その結果、HCV発現に伴うp21の発現上昇にはp53結合領域が必要ではない事が明らかとなった。また、HCVによる発癌には、生体の炎症反応も重要とされているため、我々の樹立した、HCVトランスジェニックマウスをIRF1、p48、蛋白質などをノックアウトしたマウスと交配し、形質転換発現能の変化についても検討を試みている。
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