研究課題/領域番号 |
10670338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
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研究分担者 |
赤林 朗 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70221710)
久田 満 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (50211503)
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ソーシャル・サポート / サポート交換 / 介入研究 / 世代間交流 / 高齢者 / 看護学生 / 主観的幸福感 / 老人感 / 老人観 / 高校生・大学生 / 高校生 |
研究概要 |
伝統的なソーシャル・サポート(以下、単に、サポートと略記)研究においては、高齢者は「弱者」であり、サポートの受け手として扱われていた。本研究では、高齢者がサポートを受領することとともに、高齢者がサポートを提供することが高齢者の主観的幸福感を高めるという仮説を立て、介入研究によりこれを実証しようとした。高齢者がサポートを受領すると同時に、若年者にサポートを提供することのできる状況を作り出すため、当初、高校生が高齢者を訪問するという介入を考えた。しかしながら、大規模な介入をおこなうのは限られた資源の中では現実的でないこと、また、そもそもこのような介入研究がほとんどおこなわれていない現状では小規模であっても介入の効果があることを実証すべきと考えられたこと、などの理由により、看護学生が少数の高齢者を訪問するという介入に切りかえることとなった。 都内の一公営団地を調査対象地とし、ここに居住する女性高齢者を、本研究の目的にそってカウンセリングの訓練を受けた看護学生が訪問し、高齢者の体験を傾聴すること(回想法)を介入とした。約2ヶ月の介入の後、高齢者の主観的幸福感や若者に対するイメージを調査した。また、看護学生に対してはグループディスカッションをおこない、高齢者訪問による効果を評価した。その結果、対象となった高齢者および看護学生に対して、介入後、明らかな効果が認められた。 本研究は、(1)例数が少ない、(2)そのため、対照群をおくことができなかった、(3)カウンセリングの訓練に手間がかかり、たとえば高校生を介入者とする大規模な介入をおこなう場合には現実的でない、などの問題点があったものの、今後の介入研究をおこなう際のモデルを提示することができたと考える。今後、より普及が可能な介入の形を考案し、高齢者と若年者の両者に対する世代間交流の有用性を証明する必要がある。
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