研究課題/領域番号 |
10670356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永野 恵 熊本大学, 医学部, 講師 (10136723)
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研究分担者 |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 2.5-ヘキサンジオン / アクリルアミド / 塩化アリル / 神経毒性 / ニューロンフィラメント蛋白質 / 燐酸化 / カルパイン / 2,5-ヘキサンジオン / ニューロフィラメント / 2.5イキサンジオン / 二硫化炭素 |
研究概要 |
今回の科研費交付金では、NF-H蛋白質でのリジン-セリン-プロリンの繰り返し配列に着目し、1)セリンのリン酸化状態が、隣接するリジンとHDの反応にどのように相互に影響するかをin vivoおよびin vitroの実験系で検討した。さらに、2)NF蛋白質の分解に関与している、神経細胞内のTriton X-100可溶性分画に存在するカルパインによるNF分解反応への影響を明らかにする目的で、中毒ラットのNF蛋白質と正常ラットのカルパイン、あるいは正常ラットのNF蛋白質と中毒ラットのカルパインを組み合わせることにより、NF蛋白質の分解の程度を比較検討した。 これらの実験結果から得られた知見は、1)HD中毒ラットでは、元来の分子量を示すNF-H蛋白質でのリン酸化型および脱リン酸化型NF蛋白質の比に比べ、HDによるNF蛋白質の架橋形成(高分子蛋白形成)産物では、脱リン酸化型の占める比が大きいこと、2)in vitroの系でリン酸化型あるいは脱リン酸化型NFとHDを反応させると、リン酸化型NF蛋白質に比べ脱リン酸化型NF蛋白質の方で架橋形成産物が多いことが観察された。つまりin vivoでもin vitroでも、脱リン酸化型NFの方が架橋形成されやすいという興味ある新しい知見が得られた。さらに、3)AM中毒ラット脊髄から得られたカルパインによる同中毒ラットのNF-H蛋白質の分解が、反応開始後60分目で、対照群に比べ統計学に有意に抑制されていた。AM中毒ラットでは、Ca^<2+>依存性のチオールプロテアーゼであるカルパイン活性が阻害されたか、あるいは同時に、NF蛋白質そのものもAMによる化学修飾を受け、カルパインによる分解に抵抗性を示すようになった可能性も考えられた。
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