研究課題/領域番号 |
10670377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
中野 ユミ子 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (40159067)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ストレス / 接触皮膚炎 / ランゲルハンス細胞 / ケラチノサイト / 遺伝子発現 / 神経伝達物質 / サブスタンスP / 分化異常 / 慢性的精神的ストレス / 遺伝子発現解析 / RT-PCR法 / アレルギー性接触皮膚炎 / 単独隔離 / 接着分子 / サイトカイン / 神経ペプチド |
研究概要 |
ストレスは炎症性疾患を増悪させるといわれているが、そのメカニズムはよくわかっていない。そこで、慢性的精神的ストレスとして長期にわたる単独隔離をBALB/c雄マウスに施し、接触皮膚炎(CS)、ランゲルハンス細胞(LC)やケラチノサイト(KC)の機能や細胞表面分子発現に及ぼす影響を解析した。その結果、慢性ストレスによってCS発現やLCの抗原提示能は顕著に増幅される一方、KCの抗原提示能、IL-1α及びTNF-α(炎症性サイトカイン)の産生能、増殖能は顕著に抑制されることが判明した。そこで、ストレス負荷マウスのKCのRNAを抽出し、RT-PCR法でMrna発現解析を行った。予備テストとして一次刺激物質フェノールと接触感作原トリニトロクロルベンゼン(TNCB)塗布によるMrna発現を調べた所、前者では接着分子ICAM-1のMrnaの発現のみが誘導されたが、後者では、ICAM-1、E-cadherin(接着分子)、トランスグルタミネース(分子マーカー)、c-fosおよびc-myc(癌原遺伝子)、コーチゾン刺激ホルモン放出ホルモンおよびサブスタンスPのレセプター(神経伝達物質関連)、IL-1αおよびTNF-α関連のMrna発現が顕著に増大した。慢性ストレスによってこれらの遺伝子発現は一過性に増大した。さらに慢性ストレス負荷マウスにTNCBを塗布し、Mrnaの発現を解析した所、トランスグルタミネースおよびサブスタンスPのレセプターのMrna発現のみが増強され、その他の遺伝子の発現は対照よりも低下していた。これらの結果は、慢性ストレスによってLCの機能が活性化される一方、KCの分化異常が亢進し、サイトカイン産生能などの諸機能を失うこと、そして、これらの諸変化が皮膚局所へのサブスタンスPの放出によって引き起こされている可能性を示唆している。
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