研究課題/領域番号 |
10670378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
小西 良昌 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 主任研究員 (40211239)
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研究分担者 |
桑原 克義 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 主任研究員 (50158888)
北川 幹也 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 研究員 (90270769)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 母乳 / ダイオキシン類 / 超臨界流体抽出 / 高分解能GC / MS / PCDDs / PCDFs / コプラナーPCBs / ダイオキシン / PCDD / PCDF / コプラナーPCB |
研究概要 |
冷凍保存乳脂肪を用いた母乳中のダイオキシン類経年変化を測定した。測定に用いた乳脂肪は1973年以降PCBs汚染調査のために冷凍保存していたもので、年齢等のファクターを最小限におさえるため、年齢25〜29才初産婦のみを対象とし、母乳採取年度別に等量混合(3滴〜5滴)(各年度19〜32人)し、1973年から96年まで(1987年を除く)合計23検体について、PCDDs7種類、PCDFs10種類(2,3,7,8位に塩素のあるもの)、Co-PCBs3種類を測定した。分析は、乳脂肪をアルカリ分解した後、多層シリカゲルカラムで精製してアルミナおよび活性炭カラムで、PCDDs/PCDFsフラクション、Co-PCBsフラクションおよびPCBsフラクションに分別し、高分解能GC/MSで測定する方法を用いた。その結果、乳脂肪中のダイオキシン濃度はTEQ概算で、1974年の66.8pg/gを最高に年々減少し、1996年では、28.2g/pgであった。しかしながら、それぞれの化合物の年推移濃度(実濃度)は大きく異なり、Co-PCBs濃度(3種の合計)は、1974年では524pg/gだったのが、1996年では129pg/gと約1/4に、また、7塩化のPCDDsが156pg/gから9.9pg/g(6.3%)、8塩化のPCDDsが、1265pg/gから67pg/g(5.3%)へと大きく減少しているのに比べて、5塩化、6塩化のPCDDs濃度は、ほぼ横ばいであり、それぞれの化合物の汚染源が異なることが考えられた。次に超臨界流体抽出装置(SFE)を用いたダイオキシン類の分析法の検討を行った。SFEは抽出溶媒に二酸化炭素を用いることから、環境への負担は有機溶媒による抽出より軽く、抽出・精製操作が自動化・簡略化が可能であり、分析者の安全の確保についても有用である。本研究では、予め溶媒抽出した乳脂肪を用いて、精製効果を得るため、トラップの充填剤と溶出フラクションについて検討した。また分析の簡略化と精度の向上のため、ネガティブCI(NCI)法やGCへの大量注入法についても検討した。SFEのトラップとしてEnviCarbを用いた。その結果、溶出に用いた有機溶媒は24mlで、従来と比較して非常に少ない量で分析でき、また、終夜運転による自動化も可能であった。また同時に大量注入-NCI(SIM)法を用いることにより、濃縮操作の簡略化や分析精度の向上をはかることも可能であると考えられた。
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