研究課題/領域番号 |
10670423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
赤星 透 北里大学, 医学部, 講師 (70159325)
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研究分担者 |
田中 住明 北里大学, 医学部, 助手 (80265595)
穂坂 茂 北里大学, 医学部, 講師 (80209220)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 好中球 / アポトーシス / PGE2 / 炎症 / 滑膜細胞 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の関節炎局所では、ケモカインなどの走化因子により著明な好中球浸潤が惹起される。浸潤した好中球はサイトカインなどにより活性化され、さまざまなメディエーターを放出し、関節組織障害を惹起すると考えられている。好中球は最も寿命の短い白血球であり、アポトーシスにより死滅して行く。アポトーシスに陥った好中球は有害な細胞内物質を放出することなくマクロファージに貪食されることから、アポトーシスは炎症の収束機序といえる。そこで本研究では、RAにおける好中球アポトーシスの制御機序とRA治療薬の好中球アポトーシスに及ぼす影響を解析し、以下の結果を得た。(1)インフォームドコンセントを得て、RA患者より滑膜組織を採取した。この滑膜細胞の無刺激培養上清中には、好中球アポトーシスを抑制する活性が含まれていた。また、IL-1などのサイトカインはこの抑制活性をすみやかに誘導した。(2)好中球アポトーシス抑制活性の主要因子は、GM-CSFとPGE2であったが、その他にも分子量25Kdの抑制因子が存在した。この因子はGM-CSFなどの既知のサイトカインとは異なる未知の因子と推測される。この因子の精製・同定は現在も継続中である。(3)PGE2の受容体アゴニストを用いた解析から、EP4を介したPGE2のシグナルは好中球アポトーシスを抑制し、逆にEP3を介したシグナルは好中球のアポトーシスを速やかに誘導することが判明した。この結果は、好中球アポトーシスにおけるPGE2受容体の役割をはじめて明らかにしたものである。(4)RAの治療薬のなかで、サラゾピリンは活性酸素種の誘導により好中球のアポトーシスを速やかに誘導した。これは、サラゾピリンの抗炎症・リウマチ作用の解明につながるものと考えられた。
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