研究課題/領域番号 |
10670450
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷中 昭典 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80272201)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | Helicobacter Pylori / 胃炎 / 胃粘膜萎縮 / アンモニア / アポトーシス / H_2受容体拮抗剤 / プロトンポンブ阻害剤 / Helicobacter pylori / プロトンポンプ阻害剤 / 胃粘膜 / 萎縮 / 壁細胞 / apoptosis |
研究概要 |
目的:Hpは高いウレアーゼ活性を有し、高濃度のアンモニアを産生する。本研究では、酸分泌抑制剤の使用により惹起される胃内腔pHの上昇が、アンモニアによる胃粘膜防御機構の破綻作用、及び胃粘膜上皮細胞apoptosis誘導作用に及ぼす影響を検討した。 方法:1.In vitro胃粘膜実験系:(1)マウス由来胃粘膜上皮細胞に対して、アンモニアを投与し、胃粘膜上皮細胞(GSM06)のapoptosisについて検討した。(2)モルモットintact sheet胃底腺粘膜をUssing chamberにmountし、NH4Cl投与による粘膜の変化を電気生理学的、形態学的に検討した。2.In vivoマウスにおける検討:C57/BL6マウスにHpを感染させた後、酸分泌抑制剤(H2-blocer,PPI)を一年間連日投与し、胃炎の程度、胃粘膜細胞回転、アポトーシスの出現、萎縮の進展の程度について検討した。 成績:1.In vitroにおける検討:アンモニアは胃内pHの高い環境下で、(1)GSM06細胞におけるapoptosisを増大させ、(2)モルモット胃粘膜の電気学的指標を低下させ、上皮細胞に空胞化を惹起した。2.In vivoにおける検討:Hp感染によるマウス胃粘膜萎縮の進展は、酸分泌抑制剤投与群において著明であった。酸分泌抑制剤の使用は、アポトーシスによる被蓋上皮細胞の脱落を促進し、頚細胞の増殖能を増大させ、被蓋上皮細胞への分化を促進し、線細胞への分化を抑制した。 結論:Hp感染胃粘膜において、長期的な胃酸分泌抑制剤の使用は、胃内腔のpHを上昇させ、アンモニアをイオン型のNH4+からガス型のNH3に変換させることにより、アンモニアによる胃粘膜傷害、上皮細胞のapootosis誘導作用を増悪し、胃粘膜萎縮を進展させる可能性が示唆された。
|