研究課題/領域番号 |
10670457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
成澤 林太郎 新潟大学, 医学部, 講師 (30180540)
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研究分担者 |
鈴木 健司 新潟大学, 医学部, 助手 (00303123)
朝倉 均 新潟大学, 医学部, 教授 (20051451)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 実験腸炎 / マウスAIDS / マウス白血病ウイルスLP-BM5 / シエーグレン症候群 / マクロファージ / サイトカイン / LP-BM5マウス白血病ウイルス / 炎症性腸疾患 / 漬瘍性大腸炎 / 動物モデル / B6ヌードマウス |
研究概要 |
本研究は、マウスレトロウイルスのLP-BM5マウス白血病ウイルス感染B6マウス(マウスAIDS=MAIDS)のリンパ節細胞を同系B6ヌードマウスに移入することで実験性腸炎を作出、その病態をひと炎症性腸疾患と対比して解析することにより、本モデルを炎症性腸疾(潰瘍性大腸炎)の動物モデルとして確立することを目的としている。 B6マウスにLP-BM5を腹腔内接種し、感染後8週のMAIDSマウスリンパ節細胞をB6ヌードマウスに移入した。移入4週ころよりヌードマウスには下痢・下血が生じ細胞移入6週までに全てのマウスが死亡した。病理組織学的解析より、大腸炎は粘膜層・粘膜下層に限局し、大腸上皮のび欄・過形成、陰窩膿瘍、などの潰瘍性大腸炎様の所見が見られた。大腸浸潤細胞をFlowcytometryにより解析するとCD4+およびMac-1+細胞が主体となっていることが分かった。免疫蛍光抗体法によりそれら浸潤細胞の局在を解析したところ、共に大腸粘膜固有層内にび蔓性に存在し、特に大腸上皮び欄直下には後者が集族していることが特徴であった。これらも潰瘍性大腸炎で一般的にみられる結果に類似していた。 次に、大腸組織よりmRNAを抽出しRT-PCR法によりcytokine産性パターンを解析したところ、IFN-γおよびIL-10のmRNAが対照群に比べ優位に増加していることが明らかとなった。さらに、これらcytokine産生細胞の大腸における局在を明らかにするため、二重免疫蛍光抗体法を用いて解析したところ、CD4+細胞は主にIL-10を、Mac-1+細胞がIFN-γを産生していることが明らかとなった。 更に、細胞移入するMAIDSリンパ球をCD4+とMac-1+に分離して実験を行ったところ、MAIDS-Mac-1細胞が腸炎をMAIDS-CD4+細胞は外分泌腺症を惹起することが明らかとなった。 以上の如く、われわれの新たに作出した実験腸炎は潰瘍性大腸炎に類似した病態を示し、その発症機序の解析や新たな治療法開発のよい動物モデルとなりうることが示された。本研究よりひと潰瘍性大腸炎においてもマクロファージ系統の細胞の役割に注目した新たな解析の重要性が示唆された。
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