研究課題/領域番号 |
10670462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永木 正仁 岐阜大学, 医学部, 助手 (30293559)
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研究分担者 |
小島 久典 岐阜大学, 医学部・附属病院, 医員 (80270552)
四童子 好広 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (00111518)
森脇 久隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (50174470)
大西 弘生 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40176954)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | バイオ人工肝 / 急性肝不全 / 細胞外マトリックス / 遺伝子治療 / 転写因子 |
研究概要 |
[EHSゲルを用いたバイオ人工肝の開発] in vitroでEHSゲルと肝細胞を充填した人工肝モジュールを作製、灌流培養を行い、その中で肝細胞が充分に機能を発現していることを確認した後、EHSゲルを応用したバイオ人工肝モジュールの臨床応用を目標に、大型哺乳動物を用いて本バイオ人工肝の有効性を検討した。約10kgのブタより肝細胞を分離した後、EHSgelに懸濁し、ホロファイバーのextracapillary spaceに充填した。虚血性肝不全ブタは、約40kgのブタを用い、門脈下大静脈吻合後、肝動脈を結紮離断し、肝への血流をすべて遮断することで作製した。血流遮断8時間後、バイオ人工肝モジュール(n=4)およびブタ肝細胞を含まないホロファイバー(n=4)を連結し、体外灌流を行い、その治療効果として生存期間、血液生化学データを測定した。モデル作製後の生存時間はバイオ人工肝群:26.0±8.8時間、コントロール群:18.6±10.5時間であり、バイオ人工肝モジュールを装着したブタの生存時間に延長効果をみられた。また、バイオ人工肝群では、バイオリアクター装着後より低下していた重炭酸イオン濃度は上昇し、循環動態の安定が得られた。一方、コントロール群では重炭酸イオン濃度の上昇はみられず、血圧は低値のまま推移した。また、バイオ人工肝群において、上昇していた血液アンモニア濃度が人工肝モジュールを装着後より低下したが、コントロール群では高値のままで推移した。 [HNF-4遺伝子導入によるスーパー肝細胞確立の試み] 転写制御因子であるHNF-4を肝細胞に遺伝子導入することで、より高度の肝細胞特異機能を発現するスーパー肝細胞を確立し、バイオ人工肝への応用を目指している。E1,E3遺伝子を欠失させて作製した非増殖型アデノウイルスベクターに、ラットHNF-4遺伝子を組み込み、ヒト肝癌株細胞に感染させたところ、HNF-4を遺伝子導入された細胞において、HNF-4の発現の増加とともに肝細胞特異的遺伝子の発現の増強が認められた。その結果、誘導されたグルタミン合成酵素により、培養液中のアンモニアの処理能力の向上が認められた。以上の結果により、アデノウイルスベクターを介したHNF-4遺伝子導入は、スーパー肝細胞の確立に有望であると考えられた。
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