研究課題/領域番号 |
10670465
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中野 功 名古屋工業大学, 保健管理センター, 助教授 (30262942)
|
研究分担者 |
福田 吉秀 名古屋大学, 医学部・第二内科, 講師 (40181284)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | C型肝炎ウイルス / DNAワクチン / コンフォメイショナルエピトープ / 抗E2抗体免疫蛍光染色 / 抗E2抗体 / 中和抗体 / 細胞性免疫 / 免疫蛍光染色 |
研究概要 |
HCVワクチンの開発には、中和抗体の誘導が不可欠である。最近、コンフォメイショナルエピトープをもった抗E2抗体には、交叉反応性があり強いウイルス中和作用のある可能性が示唆され、ワクチンエピトープの候補として注目されている。HCVの表面蛋白における抗原性の高い領域を三次構造の面からスクリーニングするため、HCV患者血清中抗E2抗体のコンフォメイショナルエピトープの特徴を検討した。方法は、HCV-H(ゲノタイプ1a)E2領域の種々の欠損または変異体をサイトメガロウイルスプロモーターのもとに発現するプラスミドを構築し、メラノーマ細胞にトランスフェクトした。2日後細胞を固定し、HCV(ゲノタイプ1b)患者血清を使って免疫蛍光染色し、血清中抗E2抗体の発現蛋白に対する抗体反応を測定した。その結果、患者血清18例中抗E2抗体陽性は12例(67%)であった。抗体陽性12例中10例においてaa406-aa644、2例においてaa406-aa643が、強い抗体反応を維持する最小の領域であることが同定された。これより、コンフォメイショナルエピトープがこの範囲であることが示唆された。糖鎖付着可能部位への変異導入の検討では、aa417、aa423、aa430、aa448、aa556、aa576、aa623の変異が抗体の反応に影響を与えた。特にaa423、aa430、aa448、aa576の変異は、抗体反応性を完全に消失させ、この部位の糖鎖が、抗体のエピトープ形成に強く関与していることが示された。以上のように今回、ゲノタイプ1aと1bに交叉反応性のある抗E2抗体のコンフォメイショナルエピトープの特徴を明らかにした。この結果はC型肝炎DNAワクチンの設計に重要なデータである。また、C型肝炎DNAワクチンのマウスに対する反応性の検討では、以上に述べられた範囲のワクチンを構築し、これを投与したところ、非常に良好な抗体反応が検出され、ワクチンとしての有用性が確認された。これらの成果は、今後の臨床応用に対して、大きな前進となったと考えられる。
|