研究課題/領域番号 |
10670473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
汐田 剛史 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70263457)
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研究分担者 |
國貞 隆弘 (国貞 隆弘) 岐阜大学, 医学部, 教授 (30205108)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | レチノイン酸 / ドミナントネガティブフォーム / トランスジェニックマウス / 脂肪性肝炎 / 脂肪酸ベータ酸化 / 肝細胞癌 / ドミナントネガティブ / 肝細胞特異的 / レチノイン酸レセプター / トラシスジェニックマウス / 肝臓 / レチノイドリセプター / レケノイドレセプター |
研究概要 |
レチノイドは上皮細胞の増殖・分化に密接に関与している。最近、非環式レチノイドが肝細胞癌の治療後に投与されると、その後の再発が有意に減少させると報告され、レチノイドの有用性が報告された。そこでわれわれは、肝臓でのレチノイドの機能解析のため、レチノイン酸レセプタードミナントネガティブフォームを肝細胞特異的に発現させたトランスジェニックマウスを作成し、肝臓でのレチノイドの機能解析を行った。その結果、レチノイン酸のシグナルの欠如したマウスは、著明な脂肪性肝炎を呈した。脂肪滴は小滴性であり、壊死巣は散在性の巣状壊死を呈していた。また、核細胞質比の増大、細胞増殖亢進、染色性の不均一化を生じていた。肝細胞ではサイクリンE、CDK2の発現が増加していた。また、明らかにミトコンドリアでの脂肪酸のベータ酸化が抑制されていた。ペルオキシソームは代償的に増加し、ペルオキシソームのベータ酸化によって生じる過酸化水素が増加していた。また、CYP4a酵素群の発現量が増加し、マイクロソームでの脂肪酸のオメガ酸化の増加も推定された。さらに、過酸化水素により生じるDNAの酸化障害の指標である8-OHdGも増加していた。月齢12か月以降には肝細胞癌を発生したが、この機序の一つとして活性酸素の発生が推測された。したがって、レチノイン酸は正常の肝組織の構築に必須であり、肝発癌に抑制的に作用すると考えられた。
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