研究課題/領域番号 |
10670500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
加藤 章 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30204457)
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研究分担者 |
太田 慎一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30185269)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 肝再生 / 細胞周期 / サイクリンD |
研究概要 |
肝臓は本邦でも既に多くの生体肝移植が行われている代表的な再生臓器であるが、硬変肝における部分切除後の残存肝の再生は正常肝に比べ著しく不良であることが知られている。この肝再生能の違いに細胞周期制御因子がどのように関与しているかを明らかにする目的で肝硬変ラットを作製し、部分肝切除後の再生肝における細胞周期動態とG1期制御に関わる因子につき、正常肝の再生と比較検討した。Thicacetamide(TAA;200mg/kg B.W.)を週2回14週にわたり腹腔内投与し、ラット肝硬変モデルを作製した。45%部分肝切除を施行し、切除肝をHematoxylin-Eosin染色及びMasson染色にて組織学的に検索し、線維化と偽小葉形成を確認できたラットの残存肝を用い正常肝の再生と比較検討した。肝細胞増殖の指標としてproliferating cell nuclear antigen(PCNA)の摂取率を求めた。正常肝では最高値は平均48%に対し、硬変肝では32%に留まった。PCNA陽性細胞の分布は正常肝ではグリソン鞘周囲から中心静脈領域へ広がるものの、硬変肝では偽小葉内に不規則な局在を示した。再生肝におけるサイクリンD1の発現量を蛋白質レベルで経時的に測定したところ、硬変肝では正常肝に比較しG1後期に相当する切除後18時間目までの間に見られる発現量の増加は明らかに抑制されており、72時間まで観察するも低い発現量に留まった。以上の結果より、肝再生、特にG1期の進行にはサイクリンD1の集積が重要であり、肝硬変における肝再生の低下は再生肝細胞におけるサイクリンD1の発現量が著しく抑制されていることに基づくものと考えられた。
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