研究課題/領域番号 |
10670518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
齊藤 治 (齋藤 治) 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40186929)
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研究分担者 |
小島 敬史 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
杉 和憲 大阪医科大学, 医学部, 助手
中川 憲 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00278532)
萱澤 正伸 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
田中 正剛 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 腸粘膜 / 腸上皮細胞 / 透過性 / バリヤー機構 / nitric oxide / 脂肪酸 / Caco-2細胞 / IL-8 |
研究概要 |
1.nitric oxide(NO)の腸上皮透過性およびtight junction蛋白(occludinなど)に及ぼす影響 NO donorによりCaco-2細胞モノレイヤーの透過性は亢進した。またNOS阻害剤はタウロコール酸による透過性亢進を抑制したことから内因性NOも透過性を亢進させると考えられた。またNOによる透過性亢進は共焦点レーザー顕微鏡による観察によりtight juncionが開いたためと考えられた。 occludinの分子量、リン酸化について、抗occludin抗体、抗phosphoserine抗体、抗phosphothreonine抗体を用いてWestern n boltで検討した。Caco-2細胞の分化にともない高分子量のoccludin分子が認められた。高分子量のoccludinにはそのserineや threonine部分にリン酸化が認められる。NOドナーを添加した場合、occludinのリン酸化とくにserine部分のリン酸化の減少が認められ、また高分子occludinも減少した。 2.腸上皮膜細胞(Caco-2細胞)のchemokine産生への脂肪酸の影響 短鎖脂肪酸のbutyrateは IL-8産生を制御した。ω3系の ei cosapentaenoic acid やdocosahexaenoic acid は IL-8産生に影響しなかった。長鎖脂肪酸のoleic acidや中鎖脂肪酸のcapric acidは IL-8産生を刺激した。阻害剤を用いた実験から、oleic acidによる IL-8産生の刺激にはprotein kinase Cやphopholipase A2 が関与していたが、capric acidによるIL-8産生の刺激には関与していなかった。 3.糞便中および腸管洗浄液中の蛋白の分析 腸管洗浄液の蛋白の分析は、糞便中蛋白と同様に炎症性腸疾患の活動性や病態把握に有用であった。腸管洗浄液を遠心し、上清と沈渣に分けると、活動性の患者では好中球顆粒蛋白は上清と沈渣のいずれにおいても増加していたが、上清/沈渣比は低下していた。活動性の炎症性腸疾患では管腔内への好中球のmigrationは著明に増加するが、管腔内にmigrationした好中球の一部は顆粒を放出していないことが考えられた。
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