研究課題/領域番号 |
10670520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
飯田 三雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00127961)
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研究分担者 |
松本 主之 九州大学, 医学部, 助手 (10278955)
水野 充 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90239252)
黒木 文敏 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20278956)
末兼 浩史 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70299189)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 家族性大腸腺腫症 / 遺伝性大腸癌 / APC遺伝子異常 / 十二指腸腺腫 / 回腸腺腫 / 十二指腸陥凹型腺腫 / 異型家族性大腸腺腫症 / サーベイランス / 十二指腸乳頭部腺腫 / PCR-SSCP法 / APC遺伝子変異 / Apc遺伝子 / 異型家族大腸腺腫症 / 小腸腺腫 / 拡大内視鏡検査 / Mutaion cluster region / PCR法 |
研究概要 |
家族性大腸腺腫症(FAP)の大腸切除後の患者管理方針を確立するため、十二指腸病変と小腸病変の臨床病理学的特徴、およびAPC遺伝子と臨床徴候の関係について検討した.FAPの十二指腸には多彩な形態を呈する腺腫が発生するが、今回の検討で陥凹型腺腫が存在することが明らかになった.このタイプの腺腫はFAP25例中10例に認められ、隆起型腺腫よりも有意に組織学的異型度が高く、細胞増殖能が高かった.癌化率が高いとされている十二指腸乳頭部を10年以上にわたって経過追跡したところ、18例中組織学的異型度が進行した症例は5例で、初回検査時と最終経過観察時で増殖能に有意差を認めなかった.以上より、FAPにおける十二指腸のサーベイランスでは陥凹型病変に着目すべきであるが、予防的な十二指腸乳頭切除術は不要と考えられた.一方、FAP19例の終末回腸を拡大内視鏡を用いて観察すると、大腸のaberrant crypt fociに類似した微小腺腫が5例に認められ、うち3例で経過観察中に直腸癌が診断されていたが、他の14例では直腸癌の発生をみなかった.従って回腸微小腺腫は直腸癌を予測する指標の1つになりうると考えられた.FAP37例のAPC遺伝子をPCR-SSCP法を用いて検索したところ、15例で本遺伝子の変異が確認された.10例ではエクソン15に変異を認め、これらの症例では密生型大腸腺腫症と多彩な大腸外病変がみられた.これに対し、エクソン4、5、ないし9に変異がみられた4例は診断時年齢が40歳以上で200個以下の大腸腺腫と軽微な大腸外病変を臨床的特徴としていた.このことから、APC遺伝子診断を導入することでFAPの病態に即した治療および管理方針を決定することが可能と思われた.
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