研究課題/領域番号 |
10670535
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東條 尚子 (1999) 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90227554)
市岡 正彦 (1998) 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00176281)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / メラトニン / サイトカイン / 腫瘍壊死因子(TNFα) |
研究概要 |
【目的】睡眠は、ニューロン活動による神経機構と内因性生理活性物質による液性機構により調節を受けている.一方、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は日中傾眠を主症状とし、無呼吸に伴う睡眠の分断化、低酸素血症、高炭酸ガス血症、胸腔内圧陰圧化などにより生理活性物質の日内リズムに異常をきたすことが予想される.本研究では、OSAS患者のメラトニンおよび各種サイトカインの日内変動を調べ、OSASにおける上記生理活性物質の動態異常と臨床症状との関係について検討した. 【方法】対象はOSAS患者8例で、全例にsleep studyを行い、無呼吸指数(AI)、経皮的酸素飽和度(SpO2)を求めた.さらに日中覚醒時および睡眠時に経時的に静脈血採血し、メラトニン、TNFα、IL-1β、IL-10を測定し、これらの分泌動態と臨床症状との関連について検討した.日中傾眠については、Epworth sleepiness scale(ESS)を用いて客観的に評価した.また、上記生理活性物質の動態異常が認められた患者に、nasal CPAP治療を行い、治療前後で各指標を比較検討した. 【結果】8例中4例で、メラトニンの夜間の生理的上昇のピークが消失し日中の高値を認めた.うち3例はTNF-αも同様の分泌動態異常を示した.この3例は他の5例に比べ、AIが高値でlowest SpO2が低い重症例であり、また、ESSの値が高く日中傾眠の程度も強かった.この3例にnasal CPAP治療を行い、全例メラトニンおよびTNFαの分泌動態が正常化した.IL-1β、IL-10の動態と日中傾眠症状との間に関連はみられなかった. 【結論】重症のOSASではメラトニンおよびTNFαの分泌動態の異常をきたし、日中傾眠の発現に関与している可能性が示唆された.
|