研究課題/領域番号 |
10670549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 博雅 九州大学, 医学部, 助手 (30264039)
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研究分担者 |
松元 幸一郎 九州大学, 医学部, 医員
古藤 洋 九州大学, 医学部, 助手 (10253452)
相沢 久道 国立療養所福岡東病院, 臨床研究部, 臨床研究部長 (90175711)
古森 雅志 九州大学, 医学部, 医員
松本 幸一郎 九州大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 気道炎症 / 気道平滑筋 / 好酸球 / エオタキシン / インターロイキン8 / 杯細胞 / 気道リモデリング / Ectaxin |
研究概要 |
本研究は、EotaxinやInterleukin-8(IL-8)などのケモカイン等に注目して、気管支喘息の本態である慢性気道炎症と気道過敏性亢進の成立のメカニズムを明らかにし、さらに気道リモデリングの動物モデルを作成することを目的とした。オゾン曝露によるモルモット気道炎症・気道過敏性モデルを用いて気管支喘息におけるNOとIL-8の関与を検討した。NOやIL-8は慢性炎症の持続に関与していると考えられた。さらに、強力な好酸球遊走作用を持つEotaxinの好酸球性炎症と気道過敏性への関与、およびIL-5、LTD4やPAFとの相互作用を検討した。Eotaxinをモルモット気道局所に投与したところ、投与後1週間以上持続する好酸球性気道炎症を惹起したが、Eotaxin単独投与では気道過敏性には影響しなかった。Eotaxin後に閾値下濃度のPAFを投与すると気道過敏性の亢進を認め、気道過敏性亢進にはEotaxinで集簇した好酸球を活性化するPAF等他の因子が必要と考えられた。さらに、抗原反復曝露により平滑筋を中心とした気道リモデリングを呈する動物モデルを作成し、平滑筋リモデリングの気道反応に及ぼす影響を検討した。卵白アルブミン(OVA)の反復腹腔内投与で感作したマウスに、OVAを反復吸入曝露し、気道の組織学的変化・気管支肺胞洗浄(BAL)液中細胞成分・吸入アセチルコリン(ACh)に対する気道反応性を測定した。組織学的には、OVA3回曝露後より杯細胞過形成や気道への好酸球浸潤が認められ、6回曝露後には基底膜肥厚が、12回曝露後には気道平滑筋層の肥厚が出現した。BAL液中の好酸球数は、6回曝露後にピークを示し、12回曝露後には低下した。吸入ACh閾値は、OVA曝露6回後から12回後にかけて低下がみられた。抗原吸入を長期間反復すると、好酸球性気道炎症はむしろ軽減したが気道過敏性亢進は持続した。すなわち、気道リモデリングの存在のみで気道過敏性亢進を呈することが示唆された。気道平滑筋リモデリングの成立機序とその制御は難治性喘息管理における重要な問題であり、この動物モデルはその解析に有用と思われた。
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