研究分担者 |
水越 哲也 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90265413)
芝崎 正順 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60265395)
坂田 憲史 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70215630)
井上 憲一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50213153)
西 裕一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00275893)
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研究概要 |
近年マクロライド系抗生物質には、本来の抗菌作用以外に抗炎症作用をはじめとする種々の作用があると報告されている。切除不能原発性肺癌患者(非小細胞肺癌)に対する長期投与による生存期間に及ぼす有用性についても報告されているが、その効果はBiological Responce Modifierとしての作用と考えられており、悪性腫瘍細胞に対する直接効果に関しての報告は少ない。 1.我々は、in vitroで悪性腫瘍細胞に対する浸潤抑制効果の作用機序の検討として、高浸潤性を示す悪性腫瘍細胞株HT-1080(fibrosarcoma,Human),PA-1(teratocarcinoma of ovary,Human),SBC-3(small cell carcinoma of lung,Human),A-549(adeno carcinoma of lung,Human)を用いMATRIGEL^<TM> invasion assayでclarithromycin(CAM),およびazithromycin(AZM)が浸潤抑制を示すことを見いだした。 2.同薬剤は、実際の肺癌患者の胸水中より分離培養した癌細胞に対しても浸潤抑制効果を示した。 3.その機序の解明を目的として腫瘍細胞の接着に着目し、MATRIGEL^<TM>に対する各薬剤の接着抑制効果をを確認した。これは、CAMでは悪性腫瘍細胞表面接着分子CD49cの発現抑制である事をflow cytometryと抗CD49c抗体を用いた検討で明らかにした。しかし、AZMではCD49c発現に影響を及ぼさず、他の因子を介した浸潤抑制効果であると考えられた。 4.AZMにおける作用機序については現在までの研究で、浸潤抑制の一つとして悪性腫瘍細胞よりのマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の産生抑制効果をゼラチンザイモグラフィーで確認している。更に、AZMについては、その存在下で悪性腫瘍細胞を培養するとcontrolに比較して有意に細胞増殖が抑制される事が観察され(eye count)、3LL(adeno carcinoma of lung,Mouse)を用いたMTT assayにおいても有意に増殖抑制が認められた。この機序の解明を目的としてAZMのアポトーシス誘導能について細胞培養上清をヒストンとDNAに対する特異抗体を用いたELISA法で解析したところ、アポトーシス細胞数の増加を確認した(未発表)。
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