| 研究概要 |
1.ヒト気管支培養上皮細胞のパッチクランプおよびNO産生:単離したヒト気管支上皮細胞にパッチクランプを行い,高CA^<2+>溶液とブラディキニン,あるいはNOドナーであるS-nitroacetyl-N-penicillaine(SNAP)やニトロプルシドの添加により単一CIイオンチャネル電流およびCIチャネルの開確率の増加が観察された。
また同時に測定したNO選択性の拡散電流も増加し,免疫蛍光抗体法ではcNOSの活性化が認められたことから,cNOS由来のNOが上皮細胞のCIチャネルを開口させたものと考えられた。
2.CIイオンチャネルに対するiNOS誘導の効果:次に上皮細胞にiNOSを誘導するため,エンドトキシン(E.coli由来),ILー1β,TNFα,インターフェロンγの存在下で培養を行い,これらの培養細胞におけるCIコンダクタンス,CIチャネルの開確率を測定した。その結果,これらの刺激はNOの産生を増加させることがわかり、Northern blot解析よりiNOSmRNAの発現のupregulationが認められた。また,以上の効果は,ステロイドあるいはマクロライド処置により抑制されたことより,気道分泌亢進に対するこれらの薬剤の有用性が示唆された。
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