研究課題/領域番号 |
10670585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 一夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70301257)
|
研究分担者 |
桑原 敬介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
大槻 俊輔 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
松本 昌泰 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20192346)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 脳虚血 / 神経細胞新生 / Neurogenesis / 神経幹細胞 / 虚血耐性 / 細胞増殖 / 遅発性神経細胞死 |
研究概要 |
脳神経細胞はヒトを含む成熟動物脳では一般に高度に分化した細胞であり、かつ虚血に極めて脆弱な細胞であるため、脳血管障害をはじめとした脳損傷時に広範に脱落し重篤な神経後遺症を残す場合が多い。しかし、脳組織は虚血侵襲を受けた際に神経細胞に保護的な対応や、組織再生、修復に向けた各種の応答を示すことが近年明らかになってきている。申請者らは従来より、虚血に対する神経細胞の保護的な応答現象としての虚血耐性現象を世界に先駆けて報告してきているが、本研究期間中にあらたに砂ネズミ一過性前脳虚血モデルにおいて損傷部位の隣接部位の神経細胞は、虚血に対する抵抗性が2週間以上にわたって増強されることを明らかにした。神経細胞自身の虚血に対するストレス応答は1週間以内に消失することから、損傷部位の隣接部でみられる神経細胞に対する保護効果には反応性アストロサイトから分泌される神経栄養因子の関与が想定され、あらたな内因的な脳保護機構の関与が示唆された。また一旦発症した虚血性脳損傷を補うための修復機構の関与として神経細胞新生(Neurogenesis)の関与について砂ネズミ脳虚血モデル、ラット脳虚血モデルを用いて検討を行ってきた。神経幹細胞が存在することが知られている海馬歯状回subgranular zoneでの虚血侵襲後の細胞増殖の動態を、Bromodeoxyuridine(BrdU)の投与、もしくはProliferating cell nuclear antigen(PCNA)を指標として検討した結果、虚血侵襲後4日から2週間にわたって神経幹細胞の増殖が促進されること、増殖した神経幹細胞が4週間後に神経細胞に分化する事を明らかにした。現在さらに研究を進め、虚血侵襲後の神経細胞新生を制御する因子や、他の虚血モデル(中大脳動脈閉塞モデル)での神経細胞新生の動態に関して検討を行っている。また遺伝子変異マウスを用いて、虚血侵襲後の神経細胞神経新生に関与する因子の検討を行うために必要な再現性良好なマウス一過性重度脳虚血モデルの開発に成功した。
|