配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
まず平成10年度に,カナダ,フランス,日本を中心とする世界15カ国の共同研究プロジェクトで眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)の原因遺伝子が14q11上のpoly(A)-binding protein geneであることを世界で初めて同定した(Nat Genet 1998;18:164-167).日本人の正常対照者の99%はPABP2N端側のesonl上のpoly-alaninをコードするGCG反復配列が6回:(GCG)6/(GCG)6で,1%が(GCG)6/(GCG)7であった.これに対して,世界15カ国144-家系のOPMD患者では,全員一方のアリルが(GCG)8〜13に異常伸長していた.French-CanadianとBuchhara Jewsでは(GCG)9に創始者効果がみられたが,日本人では(GCG)8-〜13と一定せず,創始者効果は否定的であった.とくに熊本の家系は,他の国にはない独自のハプロタイプを有してした.平成11年〜12年度には,OPMDにおける筋線維障害の機序および他の神経筋疾患におけるPABP2の意義を検索するため,ヒトPABP2cDNAをもとに正常C端部近傍の22アミノ酸よりなるペプチドを合成し,その特異抗体を作製して免疫組織化学的に検討した.その結果,OPMD患者のみに骨格筋筋鞘核内に,平均2%の頻度で抗PABP2抗体陽性の異常蓄積物を認めた.すなわち,OPMDに特異的な核内封入体が変異PABP2蛋白から構成される可能性を世界で最初に提示することに成功した(Muscle Nerve 2000;23:1549-1554).最近,私共と異なる研究グループで作製された抗体や免疫電顕を用いて,ほぼ同様の結果が得らることが確認された.
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