研究課題/領域番号 |
10670606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
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研究分担者 |
中野 英樹 東邦大学, 医学部, 助手 (30266928)
栗原 照幸 東邦大学, 医学部, 教授 (80098607)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 脳脊髄炎 / EAE / T細胞 / ホーミング / plt / ケモカイン / SLC / 脳脊髄膜炎 |
研究概要 |
末梢リンパ節およびパイエル板にT細胞がきわめて少ない突然変異マウスを見出し、まずこのマウスの特性を明らかにした。リンパ節にT細胞が少ない性質はpltと名付けた常染色体性劣性遺伝子によるもので、リンパ節ばかりでなく脾臓でも白脾随にT細胞が入れないことがわかった。これは最近同定されたケモカインSLC(secondary lymphoid tissue chemokine)の発現欠損によるもので、T細胞ばかりでなく樹状細胞もリンパ節・パイエル板・脾臓のT細胞領域には極めて少ない。Plt遺伝子の野生型はSLC遺伝子であり、pltマウスではSLC遺伝子に欠損があることも判明した。 このような異常のあるマウスで、多発性硬化症の動物モデルと考えられているEAE (Ex-perimental Allergic Encephalomyelitis)の発症を検討した。ミエリン塩基性蛋白質(MBP)で免疫すると、対照群にくらべてpltマウスでは発症頻度が明らかに低く、発症した場合にも症状は軽度であった。もとの突然変異マウスの系統はDDDであったが、さらに検討するためにC57BL/6マウスにplt遺伝子を導入したcongenic mouseを作製し、EAEの発症頻度を高めるためにMOG (myelin oligodendrocyte glycoprotein)のペプチドMOG35-55で免疫したが、やはりpltマウスでは発症頻度が低く、発症しても臨床症状は軽度であった。 EAEの発症にはT細胞の関与する。pltマウスにおける蛋白質抗原へのT細胞反応を検討してみた。pltマウスでもT細胞のprimingはやや遅れるもののむしろ増強していたことから、抗原特異的T細胞は存在することがわかる。したがって、感作されたT細胞が存在してもケモカインによる発症抑制が可能であることを示唆している。
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