研究課題/領域番号 |
10670617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 (1999) (財)東京都神経科学総合研究所 (1998) |
研究代表者 |
武田 克彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (70179638)
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研究分担者 |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部・神経内科, 教授 (00107666)
神長 達郎 帝京大学, 医学部・放射線科, 講師 (30287023)
御園生 香 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事 (30281679)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | fMRI / 系列動作 / 失行 / 頭頂葉 / 補足運動野 / 先行 / 文学 / 触覚 |
研究概要 |
日常生活の動作はそのほとんどが一連の動作である。この一連の動作(系列動作)を遂行するには、個々の動作を正しく行うと共に動作を正しい系列にと組み立てる必要がある。系列動作障害があると、例えば脳血管障害患者の社会復帰に大きな障害になる。Liepmannは左半球の主に頭頂葉の損傷によって系列動作の障害がおきることを述べたが、それ以降この系列動作の研究はほとんどみあたらない。近年fMRIとよばれる、血液酸素飽和圧の変化から局所脳血流を定量表示しヒトの脳の活動部位を詳細にイメージできる方法が開発された。非浸襲的に活動部位の空間的位置を解剖学的MR画像の上に重ね合わせることができるのである。我々は健常人における2,3の物品を用いる系列動作の脳内機構をfMRIを用いて検討した。gradient-echo echo-planar法を用いて、作成した15の系列動作課題を頭の中で実際に行っているように思い浮かばせる課題を施行させた時と安静時とで信号変化がみられる部位を検討した。その結果、左中前頭回背外側部、左縁上回、左角回、補足運動野、左上頭頂小葉に脳の活性がみられた。 我々はさらに健常人を対象に、日常生活動作ではないものの純粋に運動の系列を行っている脳の部位をfMRIを用いて検討した。4つの物品を把握する5通りの手の形を学習させておき、材質をキューとして1つの把握型を選んで手の形を作る課題1と、4つの把握型の中から3つの手の形を順番通りに行わせる課題2の2つの課題施行時、脳のどの部位が活性化されるのかを検討した。結果は、単純に1つの把握型を作る課題1に比べ、ある系列に従っていろいろな手の把握のパターンを実行させる課題2の方が補足運動野、左前頭葉下部、左頭頂葉後部、小脳に活性化が認められた。以上運動を正しい系列にと組み立てる際に、左頭頂葉の後部の果たす役割が大きいことが示された。
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