研究課題/領域番号 |
10670624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
花田 裕之 弘前大学, 医学部, 助手 (20250615)
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研究分担者 |
奥村 謙 弘前大学, 医学部, 教授 (20185549)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 冠側副血行循環 / 酸性ハイドロゲル粒子 / 局所心筋血流量 / colored microspheres / colored microsphere |
研究概要 |
生体内での失活が速く直接投与の効果が限られている塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の、酸性ハイドロゲル粒子吸着化による徐放製剤の効果と安全性を検討した。平成10年度には、徐放化bFGFの冠側副血行循環発達促進効果を慢性犬を用いて造影所見から証明した。すなわち、左第一対角枝結紮後徐放性bFGF100μgを局所投与した雑種成犬5頭では冠動脈造影における順行性側副血行循環の程度を示すTIMI GradeとVideodensitometryを用いて解析した心筋輝度(score)が有意に増加し、左心室造影で壁運動の改善を認めたのに対し、bFGF水溶液を注入した5頭では全く認められなかった。 平成11年度には、さらに酸性ハイドロゲルのみを局所投与した群も加えて検討するとともに、局所心筋血流をcolored microsphere法により直接測定した。酸性ハイドロゲル単独投与群においても、TIMI Grade、心筋輝度ならびに壁運動の改善は認められなかった。局所心筋血流測定はそれぞれ徐放化bFGF投与群(A群、n=6)とbFGF水溶液投与群(B群、n=4)と酸性ハイドロゲル投与群(C群、n=3)で行った。各製剤投与前後に、microsphereを注入し、局所心筋血流量を測定した。A群では投与後に虚血領域(結紮冠動脈支配領域)の心筋血流量(ml/mimute・g)が0.50±0.07から0.77±0.06へ有意に(p=0.0003)増加したが、他の群では全く上昇が認められなかった。アデノシン投与による側副血行循環予備能もA群でのみ有意な改善が認められた。酸性ハイドロゲルを投与された全ての部位で、組織障害は全く認められなかった。 本研究により、bFGFによる血管新生療法には徐放化製剤が必要であり、加えてその基材として酸性ハイドロゲルは無害で有用であることが明らかにされた。
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