研究課題/領域番号 |
10670636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小玉 誠 新潟大学, 医学部, 講師 (10242447)
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研究分担者 |
古川 達雄 新潟大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00272849)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 実験的自己免疫性心筋炎 / 急性心筋炎 / CD2 / コクサッキーアデノウイルス受容体 / 心房性利尿ホルモン / サイトカイン / Fas / FasL / 予後規定因子 / sFas / sFasL / IL-10 / 心サルコイド-シス / CAR / carvedilol / 心筋炎 / T細胞受容体 / アポトーシス |
研究概要 |
ラット実験的自己免疫性心筋炎を用いて、心筋炎の発症機序、心筋炎における傷害心筋の形質変換、心室リモデリングの進行とそれに対する治療を検討した。まず、実験的自己免疫性心筋炎の発症におけるT細胞の関与を調べるため、T細胞表面抗原のCD2に対する抗体を投与して疾患の経過を追った。抗原感作以前に抗CD2抗体を投与すると、心筋炎の発症を完全に抑制することができた。抗原感作後で心筋炎の発症直前に抗CD2抗体を投与しても、心筋炎の発症を抑制することはできなかった。抗CD2抗体で心筋炎の発症が抑制されたラットにおいても抗ミオシン抗体の産生はみとめられた。したがって、実験的自己免疫性心筋炎における病態形成の早期にはCD2陽性T細胞が関与しているものと考えられた。心筋炎における傷害心筋の形質変換については、心筋細胞における胎児性タンパクの一つであるコクサッキーアデノウイルス受容体(CAR)の発現を検討した。実験的自己免疫性心筋炎の発症3〜4日後から心筋におけるCARのmRNA発現がみとめられ、1週間後からはCARのタンパク発現も検出できるようになった。他の胎児性タンパクである心房性利尿ホルモンについても急性期からその発現がみとめられ、心筋炎における傷害心筋では心筋細胞の形質変換が強く起こることが明らかになった。 ヒト心筋炎、拡張型心筋症について、サイトカインの病態への関与を検討した。急性心筋炎21例について、心血行動態、血液生化学所見、血中サイトカインを測定し、病態を反映するか否か検討した。その結果、白血球数、肝機能、腎機能、CPK値、血中TNFαは予後に関係せず、血中Fasおよび血中FasLの値が予後を反映した。心筋炎症例を診療してゆく上で、血中Fas、血中FasLを重症度の一指標として用い得ると考えられる。
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