研究課題/領域番号 |
10670642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 裕司 (渡邉 浩司) 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50262803)
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研究分担者 |
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50252177)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ミオシン軽鎖キナーゼ / 血管内皮細胞 / カルシウム / 一酸化窒素(NO) / 内皮依存性過分極因子 / 一酸化窒素 / 内皮依存性過分極反応 / 内皮依存性血管拡張因子 |
研究概要 |
本研究ではMLCKが血管内皮細胞においてミオシン軽鎖(MLC)リン酸化非依存的に細胞内Ca^<2+>濃度を調節し、内皮依存性血管拡張反応を制御することを以下の点で明らかにした。 1.アゴニスト刺激時に生じる細胞外からのCa^<2+>流入現象およびMLC二リン酸化体生成は、MLCKアンチセンス導入細胞において有意に抑制されたが、センス細胞では抑制されなかった。 2.細胞外Ca^<2+>存在下でbradykininを投与すると、MLC二リン酸化体生成が亢進したが、無Ca^<2+>溶掖中では二リン酸化体生成は完全に抑制された。 3.MLCの脱リン酸化を阻害する蛋白ホスファターゼ阻害薬であるcalyculinAを投与すると、内皮細胞の全MLCが二リン酸化体に変化したが、血管内皮細胞内Ca^<2+>濃度に有意な変化を及ぼさなかった。 4.MLCK阻害薬(ML-9,wortmannin)投与群およびMLCKアンチセンス導入内皮細胞では、アゴニスト刺激時の一酸化窒素(NO)産生が著明に抑制された。 5.Acetylcholine刺激時の内皮依存性過分極反応は、MLCK阻害薬(ML-9,wortmannin)により著明に抑制された。 【総括】容量性Ca^<2+>流入はMLCリン酸化の上流に位置するシグナルであることが明らかとなった。この結果は、MLCKがMLC以外にターゲットを持ち、直接Ca^<2+>流入を調節する可能性を強く示唆している。さらに、MLCK阻害によりアゴニスト刺激時の内皮依存性NO産生と過分極反応は抑制された。平滑筋細胞でのMLCK活性化は血管収縮を惹起するのに対し、血管内皮細胞におけるMLCK活性化は血管拡張性に作用することが認められ、MLCKを中心とした血管トーヌス調節系が存在することが示唆された。
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