研究課題/領域番号 |
10670695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
笹栗 俊之 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30261209)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / α_1アドレナリン受容体 / Jak / STAT / チロシンリン酸化 / 細胞肥大 / 交感神経 / アドレナリン / α受容体 |
研究概要 |
血管平滑筋細胞におけるα_1アドレナリン受容体の情報伝達にJak/STAT系が関与するか否か検討した。静止期に同調したヒト臍帯動脈平滑筋細胞をα_1アゴニストのフェニレフリンで刺激して蛋白を抽出し、各種抗体で免疫沈降させ、ウエスタンブロットを行った。フェニレフリンは、Jak2とTyk2のチロシンリン酸化を促進した。これらはα_1受容体拮抗薬プラゾシンとα_<1B>受容体に特異性の高い不可逆的α_1受容体アルキル化薬クロルエチルクロニジンで強く抑制されたが、α_<1A>受容体に特異性の高い拮抗薬WB4101では抑制されなかった。またフェニレフリンはSTAT1のチロシンリン酸化を促し、これはプラゾシンとJak2に特異性の高いチロシンキナーゼ阻害薬AG490によって抑制された。さらにフェニレフリン刺激後、Jak2とSTAT1がα_<1B>受容体と会合することがわかった。 STATのDNA結合活性をみるため、フェニレフリン刺激後の核蛋白抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行ったところ、フェニレフリンはSTAT1のDNA結合活性を上昇させたが、STAT3の活性は上昇させなかった。STAT1の活性はプラゾシンにより抑制された。 次に、α_1受容体刺激による平滑筋細胞肥大にJak/STAT系が関与する可能性を検討した。フェニレフリンは[^3H]ロイシン取り込みを促進したが、プラゾシン、AG490、STAT1コンセンサス配列を含むDNAデコイの導入はこれを抑制した。しかしSTAT3のデコイは無効だった。 以上の結果より、α_1受容体はJak2やTyk2を介してSTAT1を活性化し、細胞肥大に関与する可能性が示唆された。アンジオテンシンII、エンドセリン-1、トロンビンなどもJak2とTyk2をリン酸化するため、Jak/STAT系はG蛋白連関受容体の少なくとも一部には共通した情報伝達系であると考えられた。
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