研究課題/領域番号 |
10670702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今泉 益栄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40191895)
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研究分担者 |
鈴木 保志朗 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00292334)
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 急性前骨髄性白血病 / レチノール酸 / ATRA耐性 / PML / RARα / 獲得性変異 / APL / ATRA耐性機序 / RARα変異 |
研究概要 |
急性前骨髄性白血病(以下、APL)に対するレチノール酸分化誘導療法の作用機序は、APLの一次的病因であるMPL/RARαキメラ蛋白にレチノール酸が結合して、キメラ蛋白のdominantnegative作用を抑制し分化阻害作用を解除することと推定される。しかし、レチノール酸投与後のい再発するAPL患者は、高頻度にレチノール酸耐性を獲得し難治世となり、その原因は十分解明されていなかった。本研究は、再発時にレチノール酸耐性となった2例を含むAPL患者23例のキメラ遺伝子レチノール酸結合ドメインをRT-PCR/SSCP法で解析し、レチノール酸耐性を獲得した2例に特異的な変異を見いだした。この変異は、APL/RARαキメラ遺伝子にE-domain(レチノール酸結合ドメイン)のミスセンス変異(Arg272Gln, or Met297Leu)であり、初発時の白血病細胞には検出されないことから獲得性変異と考えられた。さらに、in vitroのレチノール酸依存性転写性解析において、変異を導入したPML/RARαキメラ蛋白の活性が野生型キメラ蛋白に比較して有思に低下していたことから、レチノール酸耐性の原因であると推定された。本研究は、APL患者においてPML/PARαキメラ遺伝子の獲得性変異がレチノール酸耐性の原因となることを初めて示したもので、今後のレチノール酸耐性克服法の開発、並びに病因であるキメラ蛋白の作用の理解に貢献すると考えられる。
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