研究課題/領域番号 |
10670726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪市立大学 (1999) 滋賀医科大学 (1998) |
研究代表者 |
山野 恒一 大阪市立大学, 医学部, 教授 (20093172)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳形成異常 / 異所性灰白質 / 神経回路 / カテコールアミン神経線維 / セロトニン神経線維 / 神経回路網 / シナプス |
研究概要 |
知能障害、てんかん、脳性麻痺などの原因の一つに滑脳症、多少脳回症や異所性灰白質と言った脳形成異常がある。このような脳形成異常では当然ながら異常神経回路網が形成されており、これが知能障害や脳性麻痺、てんかんの症状発現にどのような役割を演じているのか正しく評価することがその治療を考える上で重要である。ヒトの脳形成異常における神経回路網を解明するため、大脳皮質内異所灰白質を呈するモデル動物を作製して研究を進めた。妊娠13、14日目にcytosine arainosideを30mg/kg注射された親マウスから得られた仔マウス大脳では、皮質内の異所性灰白質と海馬分子層内に異所性神経細胞が観察された。異所性灰白質を構成する神経細胞の配列と樹状突起の伸展方向はきわめて不規則であった。しかし、生後2日から20日にかけてシナプス形成は活発に進行していた。この異所性灰白質へのカテコールアミノ神経線維の分布は大脳皮質と異なりほとんど認められなかった。セロトニン神経線維は大脳皮質と同じように密に分布していた。異所性灰白質へのこれら神経線維の分布は海馬の錐体細胞層への分布と同じであった。そこで異所性灰白質が形成される過程を経時時に検索してみると、異所性灰白質を構成する細胞は海馬の錐体細胞層を構成する細胞であることが判明した。以上のことから、カテコールアミンおよびセロトニン神経線維はたとえ形成異常を呈した本来シナプスを形成すべきpostsynaptic elementを求めて伸展していることが判明した。
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