研究課題/領域番号 |
10670741
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
中田 修二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70155745)
|
研究分担者 |
酒井 好幸 札幌医科大学, 医学部, 助手
沼田 和子 札幌医科大学, 医学部, 助手
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | カリシウイルス科 / Norwalk virus / Sapporo virus / RT-PCR / 血清疫学 / 分子疫学 / 小児の散発性胃腸炎 / 胃腸炎集団発生 / シークエンス解析 / ヒトカリシウイルス / Norwalk virus群 / Sapporo virus群 / Snow mountain virus群 / 酵素抗体法 / 抗原検出 / 日本・東南アジア |
研究概要 |
カリシウイルス科に属するウイルスは1999年のICTVの新しい国際分類により4つの属に分類され、ヒトにおいてはNorwalk-like viruses属とSapporo-like viruses属の二つとなった。それぞれの代表ウイルス種はNorwalk virus(NV)とSapporo virus(SV)で、NVはさらに遺学的にgenogroup I (GI ; NV68)とgenogroup II (GII ; SMV)に分かれる。 1984年から1989年にかけて、札幌市と松山市の小児下痢症から採用され、電顕でSRSVが陽性であった糞便検体をEIA法により抗原検索すると、NVおよびSVの検出率は低かった。しかし、血清疫学的にはNVおよびSVによる感染症は普遍的であり、EIA法では抗原的に多様なこれらウイルスを検出できないことが示唆された。そこで、種々のprimerを組み合わせたRT-PCR法およびPCR産物のSouthern blot hybridizationによる同定法を採用した。1967年から1995年までに札幌市の乳児院において発生した、非細菌性胃腸炎の集団発生36流行の病原ウイルスの検索では、カリシウイルス科に属するNVおよびSVが15流行(42%)と、A群ロタウイルスの10流行(28%)よりも多いことが判明した。すなわち、札幌市の一乳児院における観察ではあるが、カリシウイルス科に属するウイルスが乳幼児の非細菌性胃腸炎の最も頻度の高い原因ウイルスであった。 小児科外来を受診した小児の散発性胃腸炎の分析でも、原因ウイルスとしてカリシウイルス科に属するNVおよびSVがA群ロタウイルスに匹敵するとの結果が得られつつある。フィンランドのタンペレ大学医学部との共同研究では、A群ロタウイルスよるものが29%であるのに対して、NVによるものが20%、SVによるものが少なくとも9%でカリシウイルス科に属するウイルスのよるものの合計は29%である。すなわち、集団発生のみならず散発性胃腸炎においてもカリシウイルス科に属するウイルスの重要性が示唆された。
|