研究課題/領域番号 |
10670754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
小林 順 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20153611)
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研究分担者 |
薗田 勝 共丘女子大学, 家政学部・栄養学科, 助教授 (90112648)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | エラスターゼ / 肺高血圧症 / 肺動脈 / 平滑筋細胞 / PCR / セリンプロテアーゼ / 分子生物学 |
研究概要 |
血管由来エラスターゼは、細胞外マトリックスに貯蔵されている各種のgrowth factorsを活性化し、血管平滑筋細胞(SMC)を肥大、増殖、結合組織産生亢進に導き、SMCの形質転換を起こすことが報告されており、血管病変のリモデリングの中心的役割を果たしている可能性がある。我々はこのエラスターゼの分子生物学的同定を目的としてブタ肺動脈平滑筋細胞よりguanidinium法よりtotal RNAを抽出。ヒト白血球と膵臓のエラスターゼDNAのconservative sequenceより3種類のprimerを用意し,RT-PCRを行った。(primer 1;pEL up(neutro)GCCGCGCACTGCGTG,primer 2:pEL down CAAGGGGCCGCCTGAGTCCCC primer 3;pEL up(pancreas)CACACGTGTGGCGGT)RT-PCRのproductsはそれぞれ推定で450bpと500bpであったが、sequenceの結果ではprimer 2-3による284bpのPCR productを得ることが出来た。しかしprimer 1-2のcDNAは遺伝子解析が不能であった。このDNAsequenceをhomology検索で調べてみると、ヒトchromosome 16 BAC clone CIT987SK-44M2と73.4%(overlap252,score527)の高い一致を見たが、この蛋白がプロテアーゼとは考えられないため目的とする蛋白のcoding regionではないと判断。再度primerの設計を試みた。何種類かのprimerを作成し、試行錯誤を繰り返したが、その結果、初年度に得られたelastaseとのhomologyがないPCR productとは全く別な476bpのPCR productが得られ、sequenceを検討した。このDNAsequenceは、homology検索の結果、mouseのTリンパ球由来serine proteinaseの一部と59%のDNA配列にhomologyが認められた。ブタ肺動脈平滑筋細胞培養が思いの外難渋し、十分な検討が出来なかったが、これによってscreeningに移る段階まで達することができた。今回、限られた期間内に最終目的であるブタ肺動脈エラスターゼDNA sequenceの同定まで至ることができなかったが、我々はこのcDNAをprimerとしてつぎのステップに進めるものと自信を持っている。しかしスクリーニングのまえにこのcDNAを使って、ブタ培養肺動脈SMCでノーザンブロッティングを行い、primerとして使用できるかを確かめようと考えている。長い道のりとは思われるが、今回の研究によりその大きな切っ掛けが掴めたことは今後の研究の上で大きな自信となったと思われる。
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