研究概要 |
STAT6欠損マウスにおける接触アレルギーの解析 STAT6欠損マウスとワイルドタイブマウスに種々のハプテンで経皮感作して惹起後の耳介腫脹反応を経時的に比較検討した。その結果、STAT6欠損マウネでは耳介腫脹反応が減弱していた。STAT6欠損マウスでの耳介腫脹反応の減弱の機序を解析するため、腫脹した耳介の病理組織学的、免疫組織学的名解析を試た。その結果好酸球、好中球、リンパ球などの炎症細胞の浸潤がSTAT6欠損マウスでは著明に減弱していた。さらに耳介局所のIL-4,IL-5,IFN-gなどのサイトカインの発現程度をELISAで比較したところSTAT6欠損マウスではIL-4,IL-5が皮膚局所で検出できなかった。IgG1,IgG2,IgE抗体産生も誘導すろハプテンで経皮感作しSTAT6欠損マウス、WTマウスの血清中のレベルを比較検討したところIgEはSTAT6欠損マウスではほとんど検出できなかった。以上の結果よりSTAT6欠損マウスでは接触過敏症誘導においてTh2細胞が欠損することにより抗原特異的なIgEの産生が抑制され好酸球、好中球などの浸潤も抑制されることにより炎症反応が抑制される可能性が示唆された。ランゲルハンス細胞の役割を解析するためSTAT6欠損マウス,WTマウスの表皮よりランゲルハンス細胞を調整、異なる腫のマウスのTリンパ球と混合培養しLCのアロ抗原刺激能を比較検討したが差は認められなかった。また、欠損マウスとWTのLCの細胞表面抗原(Ia,CD80,CD86,CD23)をFACSで解析したが差は認められなかった。 今回の結果、接触アレルギー反応の誘導にSTAT6が重要な役割を果すことが明らかにされた。さらに、STAT6を抑制する薬剤により接触アレルギーを抑制しうる可能性が示唆された。
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