研究課題/領域番号 |
10670795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 久留米大学 (1999-2000) 九州大学 (1998) |
研究代表者 |
安元 慎一郎 久留米大学, 医学部, 講師 (10220162)
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研究分担者 |
井上 光世 久留米大学, 医学部, 講師 (10232563)
今福 信一 九州大学, 医学部, 助手 (20284490)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 皮膚感染 / カポジ水痘様発疹症 / アトピー性皮膚炎 / 慢性接触過敏症 / 動物モデル / 表皮細胞 / 感染防御 / 表皮 / 免疫抑制 / 紫外線 |
研究概要 |
6週令雌のBALB/cマウスの胸部にDNFBを週1回5週間連続塗布して誘発した湿疹病変部にHSV-1(7401H株)を皮内接種した。重症の帯状皮疹の発症頻度を対照マウスと比較するとともに、リンパ節細胞のHSV抗原刺激後の^3H-サイミジンの取り込みおよびサイトカイン(IL-10など)の産生、血清IgE値などを測定し対照と比較検討した。また、経時的に接種部位の皮膚を採取し、Vero細胞におけるプラーク形成法を用いてHSV-1を定量した。 DNFBを連続5回塗布したマウスでは重症の帯状皮疹が全例に出現したが、DNFBを週1回2週間のみ塗布したマウスでは局所の病変のみがみられた。リンパ節細胞のHSV抗原刺激後の^3H-サイミジンの取り込みにはDNFB連続塗布マウスと対照および耳介にDNFB連続塗布したマウス間に有意の差はみられなかった。IL-10の産生はDNFB連続塗布マウスにおいて高進していたが、INF-γ、IL-2,IL-4については差がなかった。血清中のIgE値は胸部及び耳介にDNFBを連続塗布したマウスにおいて有意の上昇がみられた。HSV-1接種後1及び2日目のウイルス量がDNFB連続5回塗布マウスでは2回のみ塗布したマウスより有意に高く、4日目には一旦ほぼ同レベルになるものの、帯状皮疹の形成時期に再び連続5回塗布マウスで上昇したのち、2週目までに両群とも検出されなくなった。 以上の結果により、湿疹病変部位にHSV-1が感染すると皮膚病変が重症化するという臨床的に観察される現象をマウスにおいて実験的に再現できることが判明した。このような皮膚病変の重症化には明らかな全身性の免疫抑制状態を必ずしも必要としないこと、また、血清IgE値の上昇の関与は低いことが明らかとなった。加えて、ハプテン連続塗布による湿疹病変部位にHSV-1を感染させるとウイルス増殖が接種後早期(感染後1および2日目)から亢進し、重症の皮膚病変が形成されることが明らかとなった。
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