研究課題/領域番号 |
10670796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
江川 清文 熊本大学, 医学部, 講師 (50183215)
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研究分担者 |
小野 友道 熊本大学, 医学部, 教授 (10040586)
本田 由美 熊本大学, 医学部, 助手 (00284761)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / HPV / 型特異的細胞変性効果 / 細胞質内封入体 / 封入体疣贅 / 表皮様嚢腫 / HPVE4 / メラニン / HPV E4 |
研究概要 |
我々の発見したHPV4/60/65型とHPV63型、および従来より知られていたHPV1型関連封入体疣贅をモデルにHPV型特異的細胞変性効果のメカニズムについて検討した。 平成10年度、HPV感染症の新疾患概念として提唱してきた黒色疣贅(pigmented warts)がHPV4/65/65型感染症であることや黒色調の原因にメラニン色素の増加が関与していることを明らにした。平成11年度はさらにHMB45やMART-1などのメラノーマ関連抗体および抗チロシナーゼ抗体などを用いた免疫組織学的検討を加えて、HPV4/60/65感染疣贅の病変部では特異的にメラノサイトの数の増加や細胞活性の増強が見られることを明らかにした。今後、メラノサイト活性化の状況について、in situ hybridization法等を用いた関連遺伝子発現面から検討を行う予定である。 細胞質内封入体については、いずれのHPV型の封入体も電顕的観察により、トノフイラメントあるいはトノフイブリルとの関連が予想されたが、原因HPVの型の違いにより異なる所見を示した。ケラチン代謝に対するHPVの関与と共に、その関与の質が原因HPVの違いによって異なることを考えた。今後、各種ケラチン抗体やHPVE4遺伝子蛋白抗体を用いた、免疫電顕的検討を加える予定である。 また、HPV1関連封入体疣贅については、ウイルスのライフサイクル面の検討を行い、HPVのライフサイクルもまた型の違いにより異なる可能性を明らかにした。HPV関連細胞質内封入体の臨床病理学的検討により、新封入体疣贅を発見し記載した。今後、責任ウイルスのDNAクローニングを行う。 足底表皮嚢腫からHPV57の新亜種(HPV57c)を検出すると共に、3次元的解析により、エックリン汗管由来のHPV60関連嚢腫を証明した。
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